俳句 平成29年まで


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平成29(2017) 

1000 総身これ脳(なずき)に見ゆる海鼠(なまこ)かな    いるか句会,12/2,会員特選評+堀本裕樹肯定

999 突かれたる海鼠に呻きありつべし      いるか句会,12/2,会員特選評+堀本裕樹肯定

998 独り言の炬燵にかつて六人(むたり)かな        中央俳句会,12/9例会・会員選評あり

997B 気づきたる樋の傷みや日向ぼこ    ふらんす堂通信155[なづな集](石田郷子)

997 北風に挑め電気自転車(でんちゃり)わが老躯       中央俳句会,12/9例会・会員選評あり

996B 生ごみを狸も狙ふ在所かな           ふらんす堂通信155[なづな集](石田郷子)

996 乗換へや列に割り込む空つ風             雑誌『俳壇』2月号[滑稽俳壇]・佳作(八木 健)

995B湯冷め裡に再配達を受けにけり    [俳句]3月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

995 風呂吹に豆板醤を試しけり        いるか句会,11/25,堀本主宰の指摘を参考に推敲

994 白息や山懐に対の歌碑         椋・つうしん句会・11/14 着信・(石田郷子)

993 辻風に茶の花まはる武州かな           中央俳句会,11/11例会・小林正也事務局長

992 見送りや茶垣の花に夕日光(かげ)            中央俳句会,11/11例会・会員選評あり

991 行くといふさだめぞ園のこの秋も     中央俳句会・後楽園吟行11/2(水見壽男)

990 釣る川へまた落石よ崖に鹿          雑誌[NHK俳句]1月号,佳作(夏井いつき)

989 頂(いただき)も見よと懸崖菊の主             朝日俳壇, 11/27(金子兜太)

988 ズームインの菱紅葉にも遅速かな     中央俳句会・後楽園吟行11/2(長沼ひろ志)

987 この池に昨夜(よべ)映りけむ後の月       中央俳句会・後楽園吟行11/2(髙松守信会長)

986 木の実踏む池辺やかつて渡辺浩(なべ)さんも 中央俳句会・後楽園吟行11/2(髙松守信会長)

984 葺きたての瓦に月の散華かな            銀座俳句『銀座百店』 12月号,佳作(高橋睦郎)

985 来ぬ者の座布団も替へ冬支度           中央俳句会,10/14例会・会員票

984 葺きたての瓦に月の散華かな            銀座俳句『銀座百店』 12月号,佳作(高橋睦郎)

983 号音も歓声も絶へ夕月夜        椋・つうしん句会・10/20 着信・(石田郷子)

982 鳶はもう噤(つぐ)みたるらし秋の暮         NHK俳句10/1テレビ放送・(今井 聖)

981 鴉めが穿(うが)ちし柿か子規墓前        現代俳句協会全国大会(54),予選通

980 もつと背すぢ伸(の)せ秋分の己が影      いるか句会,8/26,特選(堀本裕樹)

979 なぐさめて夜霧へと遣(や)る尾灯かな     椋・つうしん句会・9/14 着信・(石田郷子)

978 仕舞ひ湯や隣家の虫はよき音色          銀座俳句『銀座百店』 11月号,佳作(高橋睦郎)

977 ゐのこづちだらけの子らや多摩のバス  定年俳壇(朝日の折込紙)11月下旬号,特選(谷村鯛夢)

976 せせらぎにハモる鈴虫さぞ宵も         中央俳句会,9/9例会・(小林正也)

975 趣味なれどつい夜なべかな五句三首     中央俳句会,9/9例会・(長沼ひろ志+市橋千翔)

974 秋雨や鎮守に昨夜よべの祭あと        ふらんす堂通信154[なづな集](石田郷子)添削

973 秋しぐれの合間を祭囃子かな       ふらんす堂通信154[なづな集](石田郷子)

972 余所者の三十年や在祭             ふらんす堂通信154[なづな集](石田郷子)

971 台風ノ目ヤデと受話器より従弟(いとこ)    いるか句会,8/26,会員より発言+堀本裕樹肯定

970 人造湖なりにひろごる銀河かな       いるか句会,8/26,会員特選評+堀本裕樹肯定

969 盆燈籠たたみしのちの夜爪かな       いるか句会,8/26,特選(堀本裕樹)

968 師と酔へば夕焼け永し和歌の浦        雑誌[NHK俳句]10月号,佳作(髙柳克弘

967 遠き日の少国民ぞ草いきれ             朝日俳壇, 9/4(金子兜太)

966 老軀(ろうく)へと戻る心地よプール出て          朝日俳壇, 8/21・三席 (金子兜太)

965 鉄橋の音のたのしき夜釣かな               『俳句』 8月号・[埋字で学ぶ五七五](岸本尚毅)

964 橋杭や海近ければまた水母                 『俳句』 10月号・[埋字で学ぶ五七五](岸本尚毅)

963 夕立や機銃掃射を知る我等             定年俳壇(朝日の折込紙)9月下旬号,(谷村鯛夢)添削

962 祈(ほ)ぎごとを省く二柏手(はくしゅ)涼しかり  いるか句会,6/22,佳作(堀本裕樹)

961 地中海の夕焼色よナポリタン      椋・つうしん句会・7/14 着信・特選(石田郷子)

960 「幽霊」は季語か夜陰に立つ浴衣    椋・つうしん句会・7/14 着信(石田郷子)

959B蚊柱のすべて雄てふうなりかな    『俳句』10月号[平成俳壇]佳作(山西雅子)

959 バスはわれを吐けり極暑の郷里へと     中央俳句会,7/8例会・評価を得て→会報掲載へ

958B紫陽花のよそよそしさよ二日酔          銀座俳句『銀座百店』 9月号,佳作(高橋睦郎

958 汝が家は雨漏りせずやかたつむり      いるか句会,5/20,会員特選+堀本裕樹肯定

957Bあぢさゐや隠岐北端を彩りて      隠岐後鳥羽院俳句(19)・入選(宇多喜代子)

957 青梅雨の底へと卒塔婆打ちにけり      いるか句会,6/24,特選(堀本裕樹)

956 城を乗せて故山(こざん)滴る法事かな        いるか句会,6/24,佳作(堀本裕樹)

955 熱戦へ蛾も寄りきたるテレビかな       雑誌[NHK俳句]7月号,佳作(髙柳克弘)

954 片蔭にみちびかれをり三輪車         椋・つうしん句会・6/15 着信・(石田郷子)

953 その声に特許権とやほととぎす       中央俳句会,6/10例会・(長沼ひろ志)

952 更衣の子を呑みバスの失せにけり       ふらんす堂通信153[なづな集](石田郷子)添削

951 甲州や富士を南に鯉幟                ふらんす堂通信153[なづな集](石田郷子)

950B南風や銀座は湾に近き町               銀座俳句『銀座百店』8月号,佳作(高橋睦郎)

950 いちご賞(め)づ唇に先づ凹凸を        いるか句会,5/20,佳作(堀本裕樹)

949 カレンダーの五月に欲しきもう一週     ラジオ文芸選評,6/3放送(鈴木章和,添削)→雑誌[NHK俳句]9月号

948 月おぼろなれど道草いたすまじ        椋・つうしん句会・5/18着信・(石田郷子)

947 下段にも春の鳥ゐる鳥居かな         雑誌[NHK俳句]6月号,佳作(夏井いつき)

946 道を引く田螺よ仰げジェット機雲      いるか句会,4/22,(堀本裕樹)肯定

945 人ならば落人めけり田螺(たにし)どち      いるか句会,4/22,佳作(堀本裕樹)

944 倒影もまた春の灯や水路バス             銀座俳句『銀座百店』5月号,佳作(高橋睦郎)

943 やは肌にまとふ去年(こぞ)の葉さくら餅    中央俳句会,4/8例会(長沼ひろ志会長)

942B迷ひゐしも容れてゆくなり花筏    [俳句]8月号[平成俳壇]佳作(名村早智子)

942 花の下課長の歌に皆拍手                『俳句』7月号・[埋字で学ぶ五七五](岸本尚毅)

941 けふも温き紀伊や大和や墓碑八基      いるか句会,3/25,,佳作(堀本裕樹)

940 隧道(すいどう)の合間に淡し春の浦         いるか句会,3/25,堀本裕樹評を参考に推敲

939B 日を右に月を左に春岬              芭蕉祭・10/12(伊賀市)・入選(片山由美子)

939 春雷や猫より失せる恋ごころ             雑誌『俳壇』5月号[滑稽俳壇]・秀逸(八木 健)

938 朝干しし物あたたかく乾きけり       読売俳壇,3/13(小澤 實)

937 みんなみに何見てきしや初燕           ふらんす堂通信152[なづな集]添削欄(石田郷子)

936 耕人に着信ありし素振りかな           ふらんす堂通信152[なづな集](石田郷子)添削

935B早や噤むカップルもゐむ囀に        現代俳句協会全国大会(54),予選通過

935 下萌や都県を分かつ尾根の道           ふらんす堂通信152[なづな集](石田郷子)

934 手術(オペ)を忌む隠居ぞ春の雪見酒       雑誌[NHK俳句]5月号,佳作(堀本裕樹)

933 ご譲位への神託いかに揚雲雀       中央俳句会,3/11(ひろ志+千翔)→推敲

932 つくし摘む少女ら男言葉にて       中央俳句会,3/11例会(長沼ひろ志会長)

931 ものの芽に次ぐものの芽の城址かな      雑誌[NHK俳句]4月号,佳作(夏井いつき)

930 剪定や樋(とい)の芥(あくた)も除きては        椋・つうしん句会・2/16 着信・(石田郷子)

929 薄氷をなめて犬去る池畔かな         雑誌[NHK俳句]4月号,佳作(堀本裕樹)

928 浅春の夕映えを得し川面かな      椋・つうしん句会・2/16 着信・特選(石田郷子)

927B初曾孫初来訪の嚏(さめ)かな         角川全国俳句大賞⑨『俳句生活』[作品集]の収録

927 咳く夜半や「誤嚥」引けざる電子辞書    銀座俳句『銀座百店』4月号,佳作(高橋睦郎)

926 旗出して建国の日を又寝かな        いるか句会,1/28,佳作(堀本裕樹)

925 仰ぐ梅に透くる夕月なほ一献        中央俳句会,2/11例会(澤島和計+市橋千翔

924 化(ば)かさるるここちや冬の夕月夜         中央俳句会,1/14例会・会員より一句評

923B反戦の教諭奮闘雪つぶて          現代俳句協会全国大会(54),予選通過

923 寒風に傷痍軍人ハーモニカ             [俳句]3月号・題[昭和の音楽] 佳作・(小笠原和男最終選)

922 寒すばる貯水湖面の斑(むら)は鳥         雑誌[NHK俳句]2月号,佳作(正木ゆう子)

921B左義長に聖樹を焼(く)べるのは止せや        雑誌『俳壇』4月号[滑稽俳壇]・佳作(八木 健)添削→推敲

921 初銀座こたびはここを曲らむか        銀座俳句『銀座百店』3月号,佳作(高橋睦郎)

920 水音も年明けなれや暗渠道         いるか句会,1/28,佳作(堀本裕樹)

919 初鶏(はつどり)に囃されて入る傘壽かな       平成29年・賀状用(数へ年で八十に…)

 


平成28(2016)

918Bポインセチア汝(な)をキリストは見ざりしか     雑誌[NHK俳句]4月号,ラジオ文芸選評,佳作(鈴木章和)

918 悴(かじか)みしままなる通夜の記帳かな        中央俳句会,1/14例会・(澤島和計)

917 「あほん鱈(だら)」と避けしが鍋の主役へと   中央俳句会,12/8例会・(会報用に自選)

916 鰤の黄の筋を魚屋なでにけり      雑誌[NHK俳句]2月号,佳作(正木ゆう子)

915 旭日に発火寸前冬紅葉           いるか句会,11/26,(堀本裕樹・添削)

914 池を見ぬ庭こそ良けれ冬日和       中央俳句会・荻窪吟行11/25(長沼ひろ志会長)

913 な嗤(わら)ひそ苦吟の園の雪達磨       中央俳句会・荻窪吟行11/25(長沼会長+小林政秋)

912 綿虫に口笛吹いてゆきにけり           ふらんす堂通信151[なづな集](石田郷子)

911 季重ねに詠めとや雪の載る落葉      中央俳句会・荻窪吟行11/25(長沼ひろ志会長)

910 辻風に茶の花屑の応(いら)へかな           ふらんす堂通信151[なづな集](石田郷子)

910 辻風に茶の花屑の応(いら)へかな           ふらんす堂通信151[なづな集](石田郷子)

909 辞しがたき彦根城かな忘れ花           雑誌[NHK俳句]1月号,佳作(堀本裕樹)

908 明治晴れとこそたたへむ文化の日       銀座俳句『銀座百店』2月号,佳作(高橋睦郎)

907 色鳥に彩(いろど)り競ふ樹林かな            中央俳句会,10/8例会・(会報用に自選)

906 黄落の気前を競ふ木立かな                 雑 誌『俳壇』12月号[滑稽俳壇]・佳作(八木 健)

905 うそ寒に偲ぶ遠祖の穴居(けっきょ)かな       いるか句会,10/22,佳作(堀本裕樹)

904 蓋棺や菊人形と化(か)されしを         いるか句会,10/22,特選(堀本裕樹)

903 菊を着せむ昨日のままのご遺体に      『俳句』1月号・[埋字で学ぶ五七五](岸本尚毅樹)

902 アイドルの菊人形か素通りぢや       いるか句会,10/22,肯定(堀本裕樹)

901 かしは手に応(いら)へありけり秋の声       雑誌[NHK俳句]12月号,佳作(堀本裕樹)

900 つまみ終ふる葡萄の房の奇態かな       雑誌[NHK俳句]11月号,佳作(堀本裕樹)

899 名月へ打上がりさうスカイツリー       銀座俳句『銀座百店』11月号,佳作(高橋睦郎)

898 一湾を盛り上げてなほ鰯かな        読売俳壇,10/10(宇多喜代子)

897 この音や櫃(ひつ)に迎ふる今年米              中央俳句会,10/8例会・(会報用に自選)

896 微震後をすぐ鳴きなほす蚯蚓かな      いるか句会,9/24,会員好評作

895 こぼれ萩けだし木魚の音の数        いるか句会,9/24,会員好評作

894 値切りたる補聴器なれや蚯蚓鳴く           雑誌『俳壇』12月号[滑稽俳壇]・添削佳作(八木 健)→推敲

893 鰯雲へと昇らばや歩道橋       俳人協会全国大会(55)予選通過

892 道の栗パンクもさせで轢かれけり     現代俳句協会全国大会,予選通過

891 詠進の清書ぞ黙れ法師蟬                中央俳句会,9/10例会・(会報用に自選)

890 父の忌はやはり秋暑よ深呼吸     椋・つうしん句会,9/15着信(石田郷子)

889 赤とんぼ一瞬黒く昇りけり          銀座俳句『銀座百店』10月号,佳作(高橋睦郎)

888B元兵舎の教室のこの残暑かな           [俳句]1月号・題[昭和の教室] 佳作・(小笠原和男)

888 良き宴(えん)や枝豆にまた四粒入り       いるか句会,8/27,会員より特選など

887 残暑なほと願ふ風情や杭の亀           ふらんす堂通信150[なづな集](石田郷子)

886 秋暑き法事よことに外厠(そとかわや)        いるか句会,8/27,特選(堀本裕樹)

885 こぼれ種の朝顔にまた知る忌かな   俳人協会全国大会(55)予選通過

884 新涼や擬木(ぎぼく)に座りなほす猿        雑誌[NHK俳句]10月号,佳作(堀本裕樹)

883 水影も青葉盛りや二重橋               ふらんす堂通信150[なづな集](石田郷子)

882 老軀なりに磯波かぶる帰省かな       読売俳壇,8/22・一席(正木ゆう子)

881 地火照(じぼて)りをすれすれに来る鴉かな      朝日俳壇, 9/5・(金子兜太)

880 手枕や畳に蚤の跳ねる音            [俳句]9月号・題[昭和の夏]佳作 (小笠原和男)

879 ま直ぐなる胡瓜ひねりてこの句かな        雑誌『俳壇』10月号[滑稽俳壇]・秀逸(八木 健)

878 引出しの奥のハンカチ今日も奥         読売俳壇,8/1・一席(正木ゆう子)

877 潦(にわたずみ)にひるめり子鰐めく蜥蜴(とかげ)    いるか句会,7/23,佳作(堀本裕樹)

876 禰宜(ねぎ)脱がば六尺褌(ろくしゃく)ならむ海開     いるか句会,7/23,佳作(堀本裕樹)

875B海の日や愚老が耳も貝の殻       NHK全国俳句大会(28年度)入選

875 高層群西日受けつつ灯りけり      椋・つうしん句会,題[西日],7/15着信(石田郷子)

874 短夜のうちにも髭よ刃に微音         銀座俳句『銀座百店』9月号,佳作(高橋睦郎)

873 井戸端やちびりちびりと砂糖水     [俳句]9月号・題[昭和のおやつ]佳作(小笠原和男)

872 睡蓮や下を睡蓮色の鯉         [俳句]9号[平成俳壇]佳作(対馬康子)

871 ふるさとの夕立のこの痛みかな     雑誌[NHK俳句]9月号,佳作(堀本裕樹)

870 ちやんと縦に切れとねぢくる胡瓜かな      中央俳句会,7/9例会・(会員より寸評)

869 噴水を休みて只の装置かな                雑誌『俳壇』9月号[滑稽俳壇]・秀逸(八木 健)

868 梅雨晴の多摩湖を見よや宇宙船          BSフジ(7/3)・又吉の『俳句で五七GO!』で放送

867 仏壇の黴を現世(うつせ)に嗅ぐ身かな       雑誌[NHK俳句]8月号,佳作(正木ゆう子)

866B接岸や隠岐の迎へは夏燕          隠岐後鳥羽院俳句(18)・入選(宇多喜代子)

866 夏うぐひす隠居に呆(ホ)ーケキレヨとな     いるか句会,6/25,佳作(堀本裕樹)

865 黒雲をひとつ通しぬ花柘榴(ざくろ)           ふらんす堂通信149[なづな集]特選(石田郷子)

864 青空をよろこばぬ朱や花石榴              中央俳句会,6/11例会・会員より一句評あり

863 遠雷に終はれ大統領候補               中央俳句会,5/14例会・(長沼ひろ志)

862 走り茶やななめ底には古断層           ふらんす堂通信149[なづな集](石田郷子)

861 遠余花へと寄れば村社でありにけり      雑誌[NHK俳句]7月号,佳作(正木ゆう子)

860 日の丸の出し入れありて立夏かな       銀座俳句『銀座百店』7月号,佳作(高橋睦郎)

859B旗出さず群れず憲法記念の日     現代俳句協会全国大会,予選通過+選者3票

859 あえかなる桜貝にも雄あらむ              雑誌『俳壇』7月号[滑稽俳壇]・入選(八木 健)

858 歯ざはりは黄砂なるべし帰路の闇   [俳句]6月号[平成俳壇]佳作(対馬康子)

857 春荒れや地異なほつづく筑紫より       銀座俳句『銀座百店』6月号,佳作(高橋睦郎)

856 やどかりの中距離走と見るべしや       いるか通信句会・5/13着信・特選(堀本裕樹)

855 寝つかれぬ旅のはじめや初蛙     椋・つうしん句会,題[蛙],4/15着信(石田郷子)

854 春宵や手元不如意(てもとふにょい)はさて措(お)いて     中央俳句会,4/9例会・会員選句あり

853 八ヶ岳(やつ)ゆ来て富士に向かふか土手を蝶    中央俳句会,4/9例会・会員選句あり

852B崩落の跡がゑくぼぞ山笑ふ      現代俳句協会全国大会,予選通過

852 行く土手にまた逃水の根気かな        雑誌[NHK俳句]6月号,佳作(夏井いつき)

851 行く土手の陽炎(かげろう)われに転べとや      ふらんす堂通信148[なづな集](石田郷子)

850 春灯の通夜に駆け込む帰郷かな        雑誌[NHK俳句]6月号,佳作(堀本裕樹)

849 ヒーターをやや絞るぞよよいか三毛   [俳句]6月号[平成俳壇]佳作(山口善子)

848 花筏にも先端と末尾かな                雑誌『俳壇』6月号[滑稽俳壇]・秀逸(八木 健)

847 花に嵐ままよ西行忌とあれば        中央俳句会,4/9例会・会員選句あり

846Bあの下はけだしカラオケ遠桜     俳人協会全国大会(55)予選通過

846 囀(さえずり)をくぐりくぐりて神近し      ふらんす堂通信148[なづな集](石田郷子)

845 この谷に挙(こぞ)れり多摩の百千鳥           いるか句会,3/26,佳作(堀本裕樹)

844 交信の圏内めける彼岸かな      義兄・鈴木昌幸一周忌に献句/命日=3/21

843B津波にて孵(かえ)らぬぶんも鳴け蛙                 東日本大震災句集(五年目の今)・宮城県俳句協会

843 ドリンクバーに行き交ふ破顔卒業期  椋・つうしん句会,題[卒業],3/17着信(川島 葵)

842 残雪の横縞(よこじま)むごし武甲山(ぶこうざん)      ふらんす堂通信148[なづな集](石田郷子)

841B朝寝いまかの地では夜も撃ちあふか  現代俳句協会全国大会,予選通過+選者1票

841 カレンダーに突如三月来たりけり   椋・つうしん句会,3/17着信(藤井あかり)

840 口笛に応(いら)へありけり風車             雑誌[NHK俳句]4月号,佳作(櫂未知子)

839 口々に吹く子や吊し雛の難(なん)          中央俳句会,3/12例会・会員特選評あり

838 壊さるる家にひともと梅白し     いるか句会,1/23,会員特選評あり。

837 差し潮に踊る岩間の若布かな         雑誌[NHK俳句]5月号,ラジオ,佳作(西村和子)

836 つきまとふ歌詞はカホリよシクラメン 椋・つうしん句会,題[シクラメン],2/18着信(石田郷子)

835 建国の日の陽にひらく孔雀かな      中央俳句会,2/13例会・会員特選評あり

834 裸木や月に影絵の剪枝(せんし)あと      いるか句会,1/23,多点句

833 黒龍江(アムール)を懐かしみてや浮寝鳥        いるか句会,1/23,佳作(堀本裕樹)

832 水鳥の凡そ西向く日暮れかな          いるか句会,1/23,特選(堀本裕樹)

831C浄土への初荷か出会ふ霊柩車     現代俳句協会全国大会,予選通過+選者1票

831B初剃やいまだ世間を断ちかねて    現代俳句協会全国大会,予選通過+選者1票

 


平成27(2015)

831 警官も掏られかねざり年の市              雑誌『俳壇』4月号[滑稽俳壇]・秀逸(八木 健)

830 何両の実のつもりぞや青木の実     [俳句]4月号[平成俳壇]秀逸(山西雅子)

829 雪しづく路地にも各種架線かな        雑誌[NHK俳句]2月号,佳作(池田澄子)

828 女(おんな)来(く)と被るセーター後ろ前          いるか句会,12/26,佳作(堀本裕樹)

827 飼亀は冬眠われは斑呆(まだらぼ)け         中央俳句会,11/14例会・(澤島和計)

826 場違ひぞ師走に突如来し雨脚(うきゃく)       中央俳句会,12/12例会・会員一句評あり

825 花八手の月光浴よこの庭も        ふらんす堂通信147[なづな集](石田郷子)

824 十一月行くやぽつんと夕紅葉       ふらんす堂通信147[なづな集](石田郷子)

823 冬星をみな竦ませて月真上          読売俳壇,12/21・一席(正木ゆう子)

822 成層圏・世間圏・わが障子圏       NHK全国俳句大会(27年度)入選

821 イイイーンと耳許を去る冬蚊かな    椋・つうしん句会,題[耳],11/19着信(石田郷子)

820 二の丸の帰り花へと戻りけり       [俳句]5月号[平成俳壇・題詠[返り花]佳作(大川靖夫)

819 初冬のゴミ収集の声高し            銀座俳句『銀座百店』1月号,佳作(高橋睦郎)

818 後添ひのごとく軒端に石蕗の花      中央俳句会,11/14例会・(長沼ひろ志会長)

817 朝日背にあはや発火よ坂紅葉     中央俳句会,10/10例会・会員一句評あり

816 推敲の亭(ちん)に色なき小風かな       中央俳句会・後楽園吟行 (長沼ひろ志会長)

815 なつかしき起伏ぞしかも木の実道   中央俳句会・後楽園吟行 (長沼ひろ志会長)

814 昨夜(きぞ)月を今朝秋雨(しゅうう)経し池面(いけも)かな   中央俳句会・後楽園吟行 (長沼ひろ志会長)

813 な競ひそ紫だてる式部の実             いるか句会,10/24,佳作(堀本裕樹)

812 秋闌(た)くる夜半や各種の電子音        中央俳句会,10/10例会・会員「特選評」あり

811 なほ賜れ畏友が通夜に相応(ふさ)ふ古酒     中央俳句会,10/10例会・長沼会長選

810 過褒(かほう)得つつそぞろに寒し耳の穴     中央俳句会,10/10例会・会員「特選評」あり

809 コスモスに浮かれをれども迷子らし     ふらんす堂通信146[なづな集](石田郷子)

808 草の花のおほよそ紫だてり今朝     読売俳壇,10/26(正木ゆう子)

807 畏友病めりこの虫聞けぬ高層に      いるか句会,10/24,兼題「虫」佳作(堀本裕樹)

806 秋天やこのごろ縮む副都心       現代俳句協会全国大会(52)予選通過

805 前後へと多辯に踊る老女かな         中央俳句会,9/12例会・好評句

804 踊る少女スマホをひらりちらりかな   中央俳句会,9/12例会・好評句

803 本栖湖に至り桔梗の色深し       いるか句会,8/22,佳作(堀本裕樹)

802 叩かるる木魚のわきに西瓜かな     読売俳壇,9/21・三席(矢島渚男)

801 稲妻に叱られつつの帰省かな             朝日俳壇, 9/28・二席(金子兜太)

800 黙祷やいま八月を遮(さえぎ)れる        いるか句会,8/22,(堀本裕樹・添削)

799 八月や鳴き初むるもの了(お)ふるもの    いるか句会,8/22,(堀本裕樹・肯定)

798 早立ちや辻に散り敷く花木槿         椋・つうしん句会,題[立],8/13着信(石田郷子)

797 まづ合掌昨夜(よべ)迅雷に裂かれし樹      ふらんす堂通信146[なづな集](石田郷子)

796 どの件を懺悔せよとや霹靂(はたた)神           雑誌『俳壇』11月号[滑稽俳壇]・秀逸(八木 健)

795 みづからの水影撫でて夏柳       いるか句会,7/25,特選・(堀本裕樹)

794 CMッぽく逝くごきぶりの仰臥かな   中央俳句会,7/11例会・(高松事務局長)一句評

793 植ゑもせで句にくすねけり青田風    [俳句]10月号[平成俳壇]佳作(山西雅子)

792 黴くさやまた聞かさるる師系談     [俳句]9月号[平成俳壇]秀逸(今井聖)佳作(戸恒東人)

790 どくだみの花こそ驕れ月光下      俳人協会全国大会(54)予選通過

789 あぢさゐの背に見飽きしか位牌二基  いるか句会,6/27,佳作(堀本裕樹)

788 やよ紫陽花さほどむやみに咲かずとも    ふらんす堂通信145[なづな集](石田郷子)

787 垣に覗く紫陽花避(よ)けて乳母車         雑誌[NHK俳句]10月号,ラジオ,佳作(鈴木章和)

786 ひとしきり寄せくる傘や梅雨の駅      ふらんす堂通信145[なづな集](石田郷子)

785 ほらやはりこの蕾から紫陽花に        『俳句α』10・11月号,[α俳壇],予選通過

784 「ご上水」と呼ぶ古老ゐき桜桃忌     いるか句会,6/27,佳作(堀本裕樹)

783 江ノ島に卯波ぞ多摩ゆ訪ひくれば        銀座俳句『銀座百店』8月号,佳作(高橋睦郎)

782 買ひ帰るうちに筍(たけのこ)太りしか    いるか句会,4/25,会員特選+好評句

781 カアカアカー愛鳥週間だつてよう     いるか句会,4/25,好評句

780 ケーブルカーてふ籠にわれ愛鳥週間(バード・ウイーク)   いるか句会,5/30,特選・(堀本裕樹)

779 薔薇展の二席紳士の多辯かな      いるか句会,4/25,好評句

778 薔薇嗅げと連れ出す庭や位牌妻     雑誌[NHK俳句]8月号,佳作(池田澄子)

777 陰影は薔薇なり雨の夕べにも        いるか句会,5/30,好評句

776 踏切に聞く郭公(かっこう)や小海線           椋・つうしん句会,題[郭公]5/14着信(石田郷子)

775 耳にのみ神田祭よ編集子           銀座俳句『銀座百店』7月号,佳作(高橋睦郎)

774 鬱(ふさ)がざれ籠らざれとや若葉風    中央俳句会,5/9例会・好評句

773B祖父となる倅を諭す端午かな        現代俳句協会全国大会(52)予選通過

773 貧乏性なれや朝寝も小刻みに        雑誌[NHK俳句]6月号,佳作(星野高士)

772 只乗りの蝶二駅を舞ひにけり           雑誌『俳壇』7月号[滑稽俳壇]・秀逸(八木 健)

771 また曲がるゆりかもめ号湾うらら    いるか句会,4/25,佳作・(堀本裕樹)

770 わが息のシャボン玉にも出来不出来   滑稽俳句大賞の[応募者の一句](八木 健)

769 吹くわれにのみ鼻濁音シャボン玉             朝日俳壇,5/11・十席(金子兜太)

768 朧夜の仕上げのごとき湯船かな        [俳句]7月号[平成俳壇]佳作 (星野高士)

767 灯の町を渡る春灯モノレール      朝日俳壇,4/13(大串 章)

766B花屑のあかるきことよ八重桜         ふらんす堂通信145[なづな集](石田郷子)

766 空にあらば豊旗雲(とよはたぐも)ぞ花筏         いるか句会,4/25,佳作,(堀本裕樹)

765 飛花落花飛花落花飛花さぞ真夜も       中央俳句会,4/11例会・(長沼ひろし会長)

764 みづからのみづかげに着く落花かな   中央俳句会,4/11例会・(水見壽男)

763 改札機をどつと素通り花吹雪         [俳句]7月号[平成俳壇]佳作 (山西雅子)

762 カラオケに風信子(ヒヤシンス)耐えわれも耐え     いるか句会,3/28,会員特選・堀本裕樹肯定評あり

761 卒業の袴の群れに疎密あり          銀座俳句『銀座百店』5月号,佳作(高橋睦郎)

760 二列なる花菜に寄れば小川あり        ふらんす堂通信144[なづな集]題[菜の花](石田郷子)

759 機翼下をよぎる海苔粗朶(のりそだ)HANEDA(ハネダ)着    ふらんす堂通信144[なづな集](4/末)(石田郷子)

758 ど紅梅とでも言はんか寄るほどに       朝日俳壇,3/30(長谷川櫂・二席)

757 春泥を怖づる子踏む子捏(こ)ねくる子      中央俳句会,3/14例会・(水見壽男)

756 もしやして兄弟姉妹焼く目刺            雑誌『俳壇』5月号[滑稽俳壇]・特選(八木 健)

755 故郷より「メダシ送る」と目刺かな     いるか句会,2/28,会員特選・堀本裕樹好評

754 この柄(がら)の蛤(はまぐり)さぞやもてたらう      椋・つうしん句会,題[蛤]2/13着信(石田郷子評にて推敲)

753 わがひたす手相を変へよ春の水           中央俳句会,2/14例会・(水見壽男)

752 かのラガーに欲しや体重別制度           中央俳句会,2/14例会・会員評を参考に推敲

751 湯気見せて肩組むラグビー稽古かな      中央俳句会,2/14例会・(高松事務局長)

750 亡き人も出でこよ路地の雪掻きに       『俳句α』6・7月号,[α俳壇],予選通過

749 それぞれに憧るる星冬芽どち         朝日俳壇,2/2(金子兜太・一席)

748 その色の声にてわめけ臘梅花        いるか句会,1/31,会員特選・堀本裕樹好評

747 寄鍋や箸は誰にも二本づつ          雑誌[NHK俳句]3月号,佳作(宇多喜代子)

746 成人の日の荒れざるがニュースとは     雑誌『俳壇』4月号[滑稽俳壇] (八木 健)

745 ほぼ没(ぼつ)の初句会後の多弁かな           中央俳句会,11/8例会・高松事務局長の一句評など

744 初句会なれども「る」は「る」「るる」は「るる」  中央俳句会,1/10例会・(長沼会長)

743B何告ぐるやら初鳩は編隊ぞ       現代俳句協会全国大会(52)予選通過

743 初鳩にほどこす初餌(はつえ)ホームレス    いるか句会,1/31,堀本裕樹評を参考に推敲

 


平成26(2014)

742 討入りもされずにひたる柚子湯かな     いるか句会,12/20,堀本裕樹評を参考に推敲

741 いち早く潰れて無難年忘          銀座俳句『銀座百店』5月号,佳作(高橋睦郎)

740 変へられし話題に未練年忘           雑誌『俳壇』3月号[微苦笑俳壇] (八木 健)

739 義兄来るやマスク外せりすは苦言     雑誌[NHK俳句]2月号,佳作(小澤 實)

738 叱らるるらしき焚火や向う岸      ふらんす堂通信[なづな集]143,題詠[焚火]特選(石田郷子)

737 本意ならず焚火跡なるわが焚火    ふらんす堂通信(1/末)143[なづな集](石田郷子)

736 冬菊のあたり忽ち暮れにけり         [俳句]4月号[平成俳壇]佳作共選 (星野高士+伊藤敬子+朝妻力)

735 かく果てんかな逆光に冬紅葉        中央俳句会,12/13例会・一句評あり

734 十一月行くや夕日を振舞ひて     朝日俳壇12/22(金子兜太・三席)

733サンシャインビル縮みしか冬木立    中央俳句会・雑司ヶ谷吟行 (長沼ひろ志会長)

732 都電にも坂ぞ南下ぞ冬霧へ          中央俳句会・雑司ヶ谷吟行 (長沼ひろ志会長)

731 冬薔薇や差別煽動発言(ヘイトスピーチ)車輌(カー)徐行  いるか句会,11/23, 佳作(堀本裕樹)

730 降るわ散るわ七五三待つ児の傘に    中央俳句会・雑司ヶ谷吟行・多点および選評2名

729 じわじわと丹下作左膳ぞ青写真       雑誌[NHK俳句]1月号,佳作(櫂 未知子)

728 てのひらに果つれど無血初冬の蚊       いるか句会,11/23,堀本裕樹評を参考に推敲

727 名人の手業(てわざ)なるべし焚火跡      中央俳句会,11/8例会・高松事務局長の一句評など

726 冬囲よりこぼれくる子犬かな          国民文化祭(29)秋田・入選(柏原眠雨)

725 崩落の傷新たなり谷紅葉          NHK全国俳句大会(26年度)入選

724 露の世やうん年後にはこれも遺句        いるか句会,10/25,秀逸 (堀本裕樹)

723 ちやべちやべと飲む老犬や秋の水   雑誌[NHK俳句]11月号,佳作(小澤 實)

722 落栗を躱(かわ)す自転車まだ達者       「椋十周年のつどい」事前投句 “佳句”(石田郷子)

721 臥す友の窓一面も野分かな         『俳句α』2・3月号,[α俳壇],二次予選通過

720 秋気へと戻れり酸素マスクより        国民文化祭(29)秋田・入選(武藤鉦二)

719 満月や類想めける雲群れて         中央俳句会,9/13例会・多長沼ひろ志選を→後日推敲

718 都下になほ翅黒蜻蛉ぞ瀬は極秘          ふらんす堂通信142[なづな集](石田郷子)

717 田の色を消しつ戻しつ通り雨        [俳句]1月号[平成俳壇]佳作 (出口善子)

716 仏壇に逃げし秋の蚊それつきり       [俳句]1月号[平成俳壇]佳作共選 (今井 聖+戸恒東人)

715 毬栗や専守防衛とはそれか             雑誌『俳壇』1月号[微苦笑俳壇]・特選一席 (八木 健)

714 鶏頭の襞(ひだ)にアイロンてふ仮想       [俳句]12月号[平成俳壇]佳作(伊藤伊那男)

※翌2月号「合評鼎談」にて中原道夫評あり

713 この瀬より南紀なるべし鬼やんま      椋・つうしん句会,題[鬼]特選・8/13着信(石田郷子)

712 新涼へと還れや酸素マスクより    [俳句]12月号[平成俳壇]佳作(今井 聖)友の闘病を偲ぶ

711 風鈴の舌もつれをり留守三日        椋・つうしん句会,題[風鈴]8/13着信(石田郷子)

710 見下ろして知る噴水の根気かな    現代俳句協会全国大会,予選通過

709 オゾン層のことはさておき日傘とな  現代俳句協会全国大会,予選通過

708 望郷や雲の峰には雲の谷         「椋十周年のつどい」事前投句・地賞(石田郷子)

707 水影も茂りきりたる皇居かな     ふらんす堂通信142[なづな集](石田郷子)

706 手花火の祖父母に怖づる童女かな        いるか句会,8/23・欠席投句・佳作(堀本裕樹)

705 ひきがへる来世は捕手かキーパーか    朝日俳壇 8/4(金子兜太)

704 ミラノ想ひゐて味噌汁についパセリ     いるか句会,7/19,佳作(堀本裕樹)

702 バナナ剥いて直る機嫌や二歳前    読売俳壇,7/28(小澤 實)

702 裸身(はだかみ)の荼毘の仮想や湯舟なる       中央俳句会,7/12例会[裸]・多数票+好評発言

701 地下階段より銀座へと咲く日傘    雑誌[NHK俳句]10月号,ラジオ文芸選評,佳作 (西村和子)

700 ラーメンの湯気くぐる蚊の度胸かな     いるか句会,6/21,佳作(堀本裕樹)

699 隠居家にまるで膏薬青簾          椋・つうしん句会,題[簾]6/19着信(石田郷子)

698 楠若葉ことに天辺あたりかな     ふらんす堂通信141[なづな集](石田郷子)

697 卯浪のみ昔ながらよ和歌ノ浦     ふらんす堂通信141[なづな集](石田郷子)

696 畦塗つて見する体育教諭かな        雑誌[NHK俳句]9月号,ラジオ,佳作(鈴木章和)

695 蝙蝠(ごうもり)の胃は刺されずや呑みし蚊に  中央俳句会,6/14例会[夏衣],(澤島和計)

694 夏衣(なつごろも)にて浄土入りせしや友          中央俳句会,6/14例会[夏衣]・(澤島和計)

693 這ふ亀を裏返しさう青嵐                いるか句会,5/24・欠席投句・秀逸(堀本裕樹)

692 句の友の通夜なり確(しか)と若葉冷           中央俳句会会報,7月(西村友男副会長追悼号)に献句

691 威勢よく酒家(しゅか)へ鰹のたたきへと      雑誌[NHK俳句]8月号,佳作(宇多喜代子)

690 烈風に立ちあがりたり干し昆布          中央俳句会,5/11例会[馬]・多点句→会報掲載

689 背を伸(の)せば海広がりぬ苺摘        椋・つうしん句会,題[苺]5/16着信(石田郷子)

688 松蟬にまざる潮騒荼毘さなか        『俳句α』10・11月号,[α俳壇],二次予選通過

687 また「不用品回収か」か春の暮      いるか句会,3/21,佳作(堀本裕樹)

686 蝌蚪二匹くすぐれ喜寿の掌(てのひら)を    朝日俳壇 5/12(長谷川櫂)

685 草餅やわれに紀ノ川土手のころ    雑誌[NHK俳句]5月号,佳作(宇多喜代子)

684 野遊びや嗚呼ウイリアムホールデン     いるか句会,3/21,佳作(堀本裕樹)

683 囀(さえずり)に戻りきたれり観覧車      椋・つうしん句会,3/13着信(石田郷子)

682 春愁の度を越ししまま三年(みとせ)かな    読売俳壇,4/28(正木ゆう子)

681 啓蟄や籠りていぢる啓蟄句        銀座俳句『銀座百店』5月号,佳作(高橋睦郎)

680B東日本大震災忌遠辛夷(こぶし)              毎日俳句大賞2014・予選通過

680 吹くわれを先づ映しゐむシャボン玉     雑誌[NHK俳句]6月号,佳作(櫂未知子)

679 メール波もちよつと受信か木の芽どち   中央俳壇, 6/25号(水見壽男)

678 囀りに悶着混ざる寝覚めかな       ふらんす堂通信140[なづな集](石田郷子)

677 スーパーの手際よき雛納めかな      ふらんす堂通信140[なづな集](石田郷子・添削)

676 強東風(つよごち)に屈する自転車置場かな      『俳句α』6・7月号,[α俳壇],予選通過

675 淡雪の着水いかに鯉の口          ふらんす堂通信140[なづな集](石田郷子・添削)

674 浄土にてもかくねぢるるか梅の幹      [俳句]6月号[平成俳壇]佳作(今井聖)

673 碁会へと仇(あだ)も初春の歩調かな      中央俳句会,3/8例会・幹事選→会報掲載

672 愛(え)をとこと愛をとめ天降(あも)り島は春  [俳句]5月号[平成俳壇・題詠[天]佳作(大石悦子)

671B鉄橋の音聞きゐしか摘む若菜     現代俳句協会全国大会,予選通過

671 雑踏へは2キロ弱なり枯川原        [俳句]5月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

670B 惜別やコップの底に河豚(ふぐ)の鰭(ひれ)    俳人協会全国大会(53)予選通過・『選句集』収録

670 風邪感染(うつ)りさうな留守電すぐ消さな   雑誌[NHK俳句]6月号,ラジオ,佳作(鈴木章和)

669 探梅や湯気の馬糞をまた避(よ)けて    椋・つうしん句会,題[馬]1/16着信(石田郷子)

668 数の子や頭蓋に確(しか)と咀嚼音       朝日俳壇 2/27(金子兜太)

667 初富士のために架けけむモノレール      俳人協会全国大会(53)予選通過・『選句集』収録

666 電子音にて年明くる余生かな             中央俳壇, 3/25号(水見壽男)

 


平成25(2013)年.

665 年の瀬の舌禍の帰路となりにけり  銀座俳句『銀座百店』2月号,佳作(高橋睦郎)

664 遥か古稀の傷あと痒き柚子湯かな  ふらんす堂通信139[なづな集](石田郷子)

663 夜時雨を聞きつつ萎ゆる意気地かな ふらんす堂通信139[なづな集](石田郷子)

662 手は史書を足は湯婆(たんぽ)を恋ひにけり  雑誌『すばる』4月号・P238,(堀本裕樹)

661 鳴る風に白を増すなり花八手       [俳句]3月号[平成俳壇]佳作,(伊藤敬子)

660 冬凪にいらだつかまた鳶の笛       読売俳壇,12/23(宇多喜代子)

659 隠居家の無事のしるしよ花八手      定年俳壇(朝日の折込紙)1月下旬号,(小島千嘉子)

658 稀ならず風のあひまに散る木の葉    中央俳壇, 1/25号(水見壽男)

657 自転車の籠に風切る大根かな        ラジオ[ひるのいこい]12/13放送

656 七歳の七五三らしツンと来る       読売俳壇,12/16(宇多喜代子)

655 裏山に風あるらしき小春かな    ふらんす堂通信139[なづな集](石田郷子)

654 秋夕(しゅうせき)の自転車またも袋道    いるか句会,10/26,欠席投句,秀逸(堀本裕樹)

653 虫の音や遥か伊勢には遷御(せんぎょ)ノ儀    『俳句α』2・3月号,[α俳壇],予選通過

652 子の足に瞬時濁りぬ秋の川     椋・つうしん句会,10/17着信,(石田郷子添削)

651 爽やかや鳩の編隊ととのひて    いるか句会,9/28,佳作(堀本裕樹)

 

【これ以前を句集『壽一の二百句』の抄出対象としました】

 

650 根回しのここはゆるりと秋扇    いるか句会,9/28,佳作(堀本裕樹)

649 恐竜にも良夜ありけむ浮かれけむ  銀座俳句『銀座百店』11月号,佳作(高橋睦郎)

648 旋回の機窓に戻れけふの月     椋・つうしん句会,9/20着信,(石田郷子)

647 芋の露を揺すりてわれは地球人   椋・つうしん句会,9/20着信,(石田郷子)

646 夕月に灯さむかわが自転車も    ふらんす堂通信138[なづな集]・特選(石田郷子)

645 行く夏や敵国ありし学童期        銀座俳句『銀座百店』10月号,佳作(高橋睦郎)

644 釣られたる声は皮剥暮るる磯       朝日カルチャー・立川,9/7,公開選句会(小澤 實)

643 地下街にけだし夕立よりの客    ふらんす堂通信138[なづな集](石田郷子)

642 隅つこに復職めけり扇風機     ふらんす堂通信138[なづな集](石田郷子)

641 ふるさとや跣足(はだし)にしかと畳の目   中央俳壇, 9/25号(水見壽男)

640 百日紅(さるすべり)もしや第九を大合唱     椋・つうしん句会,8/15着信,(石田郷子)

639 夕焼に乗越してゐるモノレール       ふらんす堂通信137[なづな集](石田郷子・添削) 

638 青芝の似合ふライトぞ二年生       椋・つうしん句会,7/18着信,(石田郷子)

637 甚平にて還れ運勇(うんゆう)二次会へ     中央俳句会,7/13例会(長沼ひろ志会長)

636 渚まで影を連れくる海月かな       [俳句]10月号[平成俳壇]佳作(山口善子・星野高士,共選)

635 選挙カー袋小路の昼寝へも        [俳句]10月号[平成俳壇]佳作((伊藤伊那男)

634 欄干や炎暑の底を神田川      銀座俳句『銀座百店』 9月号,佳作(高橋睦郎)

633 意地悪くトマトに残る緑かな             中央俳句会,7/13例会(澤村和計元会長)

632 法事待つ余所余所(よそよそ)しさや夏座敷  雑誌[NHK俳句]9月号,佳作(宇多喜代子)

631 太平洋より青梅の尻に風      いるか句会,6/22,佳作(堀本裕樹)

630 湧くごとく梅雨晴間へと露店かな  雑誌[NHK俳句]8月号,佳作(宇多喜代子)

629 スナップの遺影や永久(とわ)にサンドレス雑誌[NHK俳句]7月号,佳作(神野紗希)

628 引力に砂と遊べる泉かな        『俳句α』10・11月号,[α俳壇],予選通過

627 ハンモックごと笑ひつつ電話せる      椋・つうしん句会,6/13着信,(石田郷子)

626 とりあへずこの世にはしやぐ泉かな 朝日俳壇 6/17(金子兜太・第一席)

*掲載句集『朝日俳壇2113』金子兜太〈好評作〉に。

625 甲羅脱ぐ夢も見てゐむ亀の子ら      中央俳句会・石神井公園吟行,5/27(水見壽男+長沼会長,共選)

624 青梅の今日を極みと透けにけり      いるか句会,6/22,堀本裕樹評を参考に推敲

623 五月雨を待つや厭(いと)ふや杭の亀        中央俳句会・石神井公園吟行,5/27(長沼会長)

622 回覧板薄暑を連れてきたりけり       ふらんす堂通信137[なづな集](石田郷子・添削)

621 マイムめく一家や観光苺摘み    銀座俳句『銀座百店』 7月号,佳作(高橋睦郎)添削

620 風の薔薇つひに蘇鉄を打ちにけり     椋・つうしん句会,5/15着信(石田郷子)

619 居心地を問はむケーキに載る苺   雑誌[NHK俳句]6月号,佳作(神野紗希)

618 清姫の河口(かこう)に卯浪ただならず    中央俳句会,5/11例会・四選者共選(水見,長沼/市橋,澤島)

617 対応不全気質(アスペルガー)の児に永き日や詰将棋 [俳句]8月号[平成俳壇]佳作(今井 聖)

616 いささかの夜蛙なれど回り道    椋・つうしん句会,5/15着信(石田郷子)

615 藤棚を漏るる日影のうねりかな       [俳句]8月号[平成俳壇]佳作((山西雅子)

614 上(かみ)つ代をまさぐるここち潮干狩     中央俳句会,4/13例会(長沼ひろ志会長)

613 みくびりし草の芽の根に応(いら)へかな   [俳句]8月号[平成俳壇]秀逸(中原道夫)

612 霞ごと乗りくる外語水路バス    銀座俳句『銀座百店』6月号,佳作(高橋睦郎)

611 花水漬(みづ)く路面レールの凹(くぼ)みかな    俳人協会・王子吟行会,4/3,(能村研三)

610 爛漫をこぼさざりこの若桜       朝日俳壇 4/14,(金子兜太・第三席)

609B活断層なんぞ知らじと土筆かな   現代俳句協会全国大会,予選通過+選者票

609 高からぬ木も囀れる社(やしろ)かな       谷保城山・吟行会,3/16(石田郷子・添削)

608 まだ水を流さぬ溝を蝶早し     谷保城山・吟行会,3/16(石田郷子)

607 目覚めたる亀にもさぞや紅椿        ふらんす堂通信136[なづな集](石田郷子)

606 泥酔の昨夜(よべ)はうつつか蜆汁      中央俳壇, 5/25号(水見壽男)

605 春泥や踏みたがる子と寄らぬ子と      ふらんす堂通信136[なづな集](石田郷子)

604 啓蟄の舗道のひびを見つめけり      いるか句会,3/23,秀逸,(堀本裕樹)

603 喜寿前の背筋伸さむ梅嗅ぐに    谷保城山・吟行会,2/16,(石田郷子)

602 地下を来て乃木神社前梅すがし      定年俳壇(朝日の折込紙)5月下旬号,(小島千嘉子)

601 立春や鶏(にわとり)めきて摂(と)るサラダ    いるか句会,2/23,秀逸,(堀本裕樹)

600 節分を幽鬼めくなり梯子酒       朝日俳壇 2/25,(金子兜太・第一席)

599 拾ひ物を告ぐる境内豆撒き後       『俳句α』6・7月号,[α俳壇],予選通過

598 膝掛を試すあぐらや形見分け       中央俳句会,2/9例会(澤島和計)

597B 咳地獄なれども曲げず皇位論      俳人協会全国大会(53)予選通過・『選句集』収録

597 三本に締めても帰路の寒さかな   中央俳壇, 3/25号(水見壽男)

596 松明けや地声にもどる鴉ども      朝日俳壇 2/4,(金子兜太・第四席)

595 自由律めけり負けこむ花歌留多      いるか句会,1/13欠席投句,特選,(堀本裕樹)

594 歳時記に見えねど今し「初銀座」   銀座俳句『銀座百点』3月号,秀逸(高橋睦郎)

593 中吊(なかづり)は徒(ただ)ならねども初電車   ラジオ・おめでた文芸,1/2,放送(鈴木章和・解説)

592C出ぬごみを急かせて辻に初鴉      子規顕彰台東区俳句大会,入選(大久保白村)

592B安定剤一錠の去年今年(こぞことし)かな   現代俳句協会全国大会,予選通過+選者1票

 


平成24(2012)

592 一新の入歯に任せ年忘         中央俳壇, 1/25号(水見壽男)

591 余所からの顔や機材や池普請        [俳句]4月号[平成俳壇]佳作(今井 聖)

590 短日の北半球の岬かな            [俳句]3月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

589 賽銭を咎(とが)むるこゑか冬鴉       谷保城山・吟行会,12/15,(石田郷子・容認)

588 掻寄する足にのた打つ湯婆(たんぽ)かな   銀座俳句『銀座百店』1月号,佳作(高橋睦郎)

587 レジを待つ寄せ鍋の具と見られけり     ふらんす堂通信135[なづな集](石田郷子・添削)

586 いざ抜けと肩怒らする大根(だいこ)かな  雑誌[NHK俳句]2月号,佳作(大石悦子)

585 真昼間に百萬の星みかん山        中央俳句会,12/8例会の好評句を→推敲。

584 ビル風と化して凩(こがらし)尽きにけり      いるか句会,12/22,佳作,(堀本裕樹)

583 濃き肌に馴染め冬服ハーフの児      中央俳句会,11/10例会(長沼ひろ志会長)

582 鳰(にお)よ汝が末期は潜りたるままか     現代俳句協会全国大会,予選通過+選者2票

581 返しゆく夕刊バイク花茶垣          ふらんす堂通信135[なづな集](石田郷子・添削)

580 迷ひ道を小春の池に出でにけり    雑誌[NHK俳句]1月号,佳作(大石悦子)

579 晩秋の畦道になほ跳ねるもの       谷保城山・吟行会,10/20,(石田郷子)

578 曼珠沙華白も堪らず暮れにけり      ふらんす堂通信135[なづな集](石田郷子・添削)

577 秋蝶のこの世は始終秋ならむ       いるか句会,10/21,(堀本裕樹・添削)

576 フライングと思へてならず流れ星   雑誌[NHK俳句]1月号,ラジオ文芸選評,佳作(鈴木章和)

575 秋望や高二(こうに)の孫を怒鳴りきて       谷保城山・吟行会,10/20,(石田郷子・添削)

574 色鳥や百花も巨塔も見放題        中央俳句会・向島吟行,10/31,特選,(長沼ひろ志会長)

573B 復興の港経てきし秋刀魚かな         三重県募集・東北応援部門,4/25通知(県俳句連盟選)

573A 秋天へ響け鉄板暗渠道         α俳壇 (毎日新聞社)  『俳句α』誌1-2月号,予選通過

572 高層化にも秋燈や駿河台       銀座俳句『銀座百店』12月号,佳作(高橋睦郎)

571 遠富士をめざすか多摩を鳥渡る         いるか句会,9/15,欠席投句(堀本裕樹)

570 川原を首都へ曲れる野分かな          ふらんす堂通信134[なづな集](石田郷子)

569 落柿の色浅くしてすぐ輪禍           ふらんす堂通信134[なづな集](石田郷子)

568 かけすかと問へば応じぬ嗄(しゃが)れ声       ふらんす堂通信134[なづな集](石田郷子・添削)

567 釣れぬ瀬にやたらと番(つが)ふ蜻蛉(とんぼ)かな雑誌[NHK俳句]11月号,佳作(大石悦子)

566 照り降りのせはしかりしが踊唄   中央俳句会,9/8例会(長沼ひろ志会長)

565 水路バスにて晩夏へとくぐる橋    銀座俳句『銀座百店』10月号,佳作(高橋睦郎)

564 はらわたの余熱冷めぬか夜半の蝉  現代俳句協会全国大会,予選通過

563 恋のボートあの漕ぎざまぢやすぐに肉刺(まめ) いるか句会,8/18,欠席投句(堀本裕樹)

562 地下を来し人工島の夕焼(ゆやけ)かな   雑誌[NHK俳句]9月号,佳作(大石悦子)

561 夏座敷かつて空襲警報も         いるか句会,7/14,初参加(堀本裕樹)

560 あの世よりハンカチを振れ運勇(うんゆう)さん 中央俳句会,7/14例会(長沼ひろ志会長)

559 梅雨晴れやつい日の丸を出しさうに 伊藤園お~いお茶新俳句(第23回)佳作・作品集に収録

558 さみだれをもてあましてや溝の堰     谷保城山・吟行会,6/16,(石田郷子・容認)

557 この螢ごと譲らばや谷の小屋      雑誌[NHK俳句]8月号,佳作(大石悦子)

556 踏切の灯に熟れ麦の穂波かな       中央俳句会,6/9例会(長沼ひろ志会長)

555 菖蒲田に花の学校ねと童女     ふらんす堂通信133[なづな集](石田郷子)

554 同宗派の寺ゆゑ親し毛虫らも       中央俳句会・平林寺吟行,5/30(長沼ひろ志会長)

553 孫去りし露台に日蝕眼鏡かな    中央俳壇,9/25号(水見壽男)

552 用済みの日蝕めがね夏座敷     ふらんす堂通信133[なづな集](石田郷子)

551 日蝕にわわれは薔薇嗅ぐ隠居かな  現代俳句協会全国大会,予選通過+選者2票

550 薔薇の庭金環日蝕騒ぎかな     読売俳壇 6/12,(矢島渚男)添削

549 髭剃れる手にぬけぬけと来る蚊かな 朝日カルチャー・立川,7/3,公開選句会,特選,星野高士

548 鯉一尾ほどに群れたり柳鮠     ふらんす堂通信133[なづな集](石田郷子)

547 をととひは雹(ひょう)を撥ねしか牛の像   谷保城山・吟行会,5/19,(石田郷子)

546 あめんばうごとに影あり溝の底   朝日カルチャー・立川,5/31,公開選句会(小澤 實)

545 地異迫るといふ南紀に梅青し       中央俳句会,5/12例会(長沼ひろ志会長)

544 田蛙(たがわず)の喉くすぐつて放ちけり   朝日カルチャー・立川,5/31,公開選句会(小澤 實)

543 蝌蚪生(あ)れむ盆地に日の矢射すあたり 中央俳壇,5/25号(水見壽男)

542 爛漫や駐在さんを花守に       銀座俳句『銀座百店』6月号,佳作(高橋睦郎)

541 瑞兆か引返しくるシャボン玉       現代俳句協会全国大会,予選通過

540 山笑ひ活断層はなほ仮眠           [俳句]7月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

539 春風や猫といへども丘に立ち      朝日俳壇 4/23,(金子兜太・第二席)

538 薪爆(まきは)ぜて春ストーブや谷の駅    読売俳壇 4/10,(小澤 實・添削)

537 啓蟄や頭上這ひゆくモノレール      [俳句]6月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

536 剪定も物腰柔し皇居前       ふらんす堂通信132[なづな集](石田郷子)

535 玉体のご快癒をこそ春なかば       中央俳句会,3/10例会(水見壽男)

534 古雛(ふるびいな)なれども若し左大臣      谷保城山・吟行会,2/18,(石田郷子)

533 立春の歩調ぞ坂にかかりても    俳人協会全国大会(51)予選通過・『選句集』収録

532 やらはれし鬼に豆より多き星     銀座俳句『銀座百店』4月号,佳作(高橋睦郎)

531 バス停に新時刻表春隣       NHK全国俳句大会(24年度),題[新]佳作・(大石悦子)

530 治療電波三種の帰路の四温かな   ふらんす堂通信132[なづな集](石田郷子)

529 冬の蜂よくぞ手帳の日だまりへ     朝日俳壇 2/6,(金子兜太・第一席)

528 亡妻のあれこれ纏(まと)ひゐて寒し    雑誌[NHK俳句]3月号,佳作(高野ムツオ)

527 雪掻の気配に怖(お)づる目覚めかな   中央俳壇,2/25号,二席(水見壽男)

526 着物ごとまばゆき孫や成人日       定年俳壇(朝日の折込紙)2月下旬号,三席(小島千嘉子)

525 松明けを待ちし電話か涙声     中央俳句会,1/14例会(市橋千翔)

524 龍昇れ七十四の初夢に       ふらんす堂通信131[なづな集]添削(石田郷子)

523 死後硬直めくここちかな初寝覚    銀座俳句『銀座百店』3月号,秀逸(高橋睦郎)

 


平成23(2011)

522 弾みもて薄刃に応(いら)ふ葉葱かな     雑誌[NHK俳句]2月号,佳作(大石悦子)

521 二泊目はさらに肩凝る布団かな    銀座俳句『銀座百店』2月号,佳作(高橋睦郎)

520 降る雪のそれぞれ生まれきたりけむ 雑誌[NHK俳句]2月号,佳作(高野ムツオ)

519 冬岬ここより凪ぎて東京湾      ふらんす堂通信131[なづな集]添削(石田郷子)

518 遠会釈より称へあふ冬日かな    谷保城山・吟行会,12/17,(石田響子)

517 独り居やヘリに共鳴せる障子    一茶忌俳句大会 (85回),佳作(古田紀一)

516 行く秋をさかのぼりきて子規墓前     中央俳句会・田端吟行会,10/27(水見壽男)

515 詠め詠めと秋気句座まできたりけり    中央俳句会・田端吟行会,10/27(長沼ひろ志)

514 逆光の芒に停まるペダルかな     銀座俳句『銀座百店』12月号,佳作(高橋睦郎)

513 木の実雨いまのは枝に弾む音    中央俳壇,11/25号,(水見壽男)

512 芋の露地球は海をこぼさざる    一茶忌俳句大会 (85回),佳作(宮坂静生)

511 クラス会めく運動会の家族席       NHKラジオ10/1放送・雑誌[NHK俳句]1月号,(鈴木章和,添削)

510 秋暑来き大仏殿に小風かな      銀座俳句『銀座百店』11月号,佳作(高橋睦郎)

509 詠め詠めと着いてきしなりゐのこづちふらんす堂通信130[なづな集]添削(石田郷子)

508 白粉花(おしろい)や埃(ほこり)まみれの緑地帯      ふらんす堂通信130[なづな集](石田郷子)

507 鶏頭をつい数へけり数ふべく    子規顕彰・台東区俳句大会・10/2,入選(青柳志解樹)

506 十四五本なれどもしきり芋嵐    谷保城山・吟行会,9/17,(石田響子

505 秋出水よりの電話ぞ従兄弟無事      [俳句]12月号[平成俳壇]佳作(藤木倶子)

504B雨脚や三基の墓を洗ひきて     現代俳句協会(48)全国大会・予選通過

504 一家みな幽霊めけり庭花火     銀座俳句『銀座百店』10月号,秀逸(高橋睦郎)

503 かなぶんに懐(なつ)かれてゐる独居かな    [俳句]11月号[平成俳壇]佳作(小島健)

502D沖合に横楕円めく西日かな     現代俳句協会(48)全国大会・予選通過

502Cはやばやと第九を歌へ百日紅    現代俳句協会(48)全国大会・予選通過

502B草刈の四五機黙(もだ)して正午かな   現代俳句協会(48)全国大会・予選通過

502 フクシマのことはうつつぞ昼寝覚     現代俳句協会全国大会(48),予選選者特選(吉田成子)

501 言ひ果(おお)せてなほ言ふがごと百日紅(さるすべり) [俳句]11月号[平成俳壇]佳作(山尾玉藻)

500 ナイターや酔うて見おろす一世界       中央俳壇,9/25号,(水見壽男)

499 サングラス同士握手の瞬時かな     朝日俳壇 8/14,(金子兜太)

498 蝉しぐれ燃ゆる夕日の音かとも      第9回・夕日俳句,入選,(中原道夫)

497 拝見の鷺草に世辞飛ばしけり    中央俳句会,7/9例会(澤島和計)

496 湯にひたる気分か牛蛙の声は       雑誌[NHK俳句]10月号,ラジオ文芸,佳作(鈴木章和)

495 谷あひの駅を一気ぞ岩燕           中央俳壇,7/25号,(水見壽男)

494 トンネルとトンネルの間の植田かな     ふらんす堂通信129[なづな集](石田郷子・添削)

493 わが顔に黴(かび)ありげなる目覚めかな   NHK全国俳句大会(23年度)入選

492 忌を前に走る梅雨雲太宰墓所    中央俳句会・三鷹吟行,5/27(長沼ひろ志)

491 初夏の供花(くげ)はやあふれたり太宰墓碑 中央俳句会・三鷹吟行,5/27(水見壽男+長沼ひろ志)

490 梅青し郷への切符けふ買はん    ふらんす堂通信129[なづな集](石田郷子・添削)

489 青みどろつつくやきざす老いごころ 朝日カルチャー(立川),小澤 實公開選句会

488 削がれても光る竹の子飯の上    朝日カルチャー(立川),公開選句会(小澤 實,添削)

487 穀雨にもまめに割込む余震かな     朝日俳壇 5/16,二席(金子兜太)

486 春宵やはて昨春の宰相は      雑誌[NHK俳句]6月号,佳作(大石悦子)

485 ウォーキングの顔に分けゆく柳かな 雑誌[NHK俳句]6月号,佳作(三村純也)

484 春月や北の津波を七日経て     銀座俳句『銀座百店』5月号,佳作(高橋睦郎)

483 諍(いさか)ひもなさるか五人囃衆       三重県の企画/角川書店刊行[人の一句]に収録

482 散り敷ける銀杏の花に轍(わだち)かな    ふらんす堂通信128[なづな集]特選(石田郷子)

481 足跡を避けつ頼りつ春の泥        ふらんす堂通信128[なづな集](石田郷子)

480 芽柳やさてこの橋を渡らむか       ふらんす堂通信128[なづな集](石田郷子)

479 梅に透けて妻よみがへる由もがな     定年俳壇(朝日の折込紙)3月下旬号(小島千嘉子)

478 うすら氷(い)を踏んで今朝より七十三        中央俳壇,3/25号,(水見壽男)

477 春一番とてや陽気に鳴る雨戸        NHKテレビ[俳句王国]4/4放送・金子兜太

476 早春の雪もものかは出す国旗    中央俳句会,2/14例会(水見壽男)

475 背表紙の丹(に)の呼ぶ書架や春隣      [俳句]5月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

474 戸隠は凄きか多摩に寒の月          中央俳壇,2/25号,(市橋千翔)

473 許されてゆく心地かな朽葉道    谷保城山・吟行会,1/15,(石田響子)

472 冬草の踏めとばかりの青さかな   谷保城山・吟行会,1/15,(石田響子)

471 かしは手やかじかみほぐし得ぬままに谷保城山・吟行会,1/15,(会員による特選)

470 中吊りに残る三艘(そう)宝船         定年俳壇(朝日の折込紙)4月下旬号・特選(小島千嘉子)

469 年の卯に御慶ささやく老虎かな        中央俳壇,1/25号,第二席(市橋千翔)

 


平成22(2010)

468 良キ年ヲとて解かれけり頬被(ほおかむり)    中央俳句会,12/11例会(水見壽男氏の助言により推敲)

467 数へ日やおほよそ千句六百首       ふらんす堂通信127[なづな集](石田郷子)

466 ごみ出しぬ霜に足跡加へつつ    読売俳壇 12/20,(小澤 實)

465 冬菊や昨夜(よべ)のさぞかし月明り    ふらんす堂通信127[なづな集](石田郷子)

464B年金日待ちとこそ見よ日向ぼこ   現代俳句協会(47)全国大会・予選通過

464 行く秋へ一機放ちし羽田かな    銀座俳句『銀座百店』12月号,佳作(高橋睦郎)

463 黄落の家よりピアノ淀みなく       雑誌[NHK俳句]2月号,ラジオ文芸,佳作(鈴木章和)

462 もうよいといふのに真夜の鉦叩(かねたたき)   [俳句]1月号[平成俳壇]推薦(大牧 広)+佳作(伊藤敬子)共選

461 義理に聞く三曲合奏外は百舌(もず)   BS[俳句日和]10/23放送の番組100選に入選

460 ただ抜くるほかなし秋の梅林    谷保城山・吟行会,10/16,(石田響子)

459 朝顔の種呉れにきて転居とや    NHK全国俳句大会(22年度) 入選

458 人生にアクセルを踏む暮秋かな      中央俳句会,10/9例会(水見壽男)

457 身の嘘をつくろひかねて暮の秋      中央俳句会,10/9例会(水見壽男)

456 色づきぬ舗装のひびの草の穂も   ラジオ[ひるのいこい]で放送10/23,(鈴木章和)

455 丁寧に鳴きをさめけり秋の蝉     ふらんす堂通信126[なづな集](石田郷子)

454 ゆりかもめ号に満月みぎひだり    ふらんす堂通信126[なづな集](石田郷子)

453 岬なる吾(あ)を越す帰燕また帰燕   『俳句』7月号,題[燕],佳作(正木ゆう子)

452 お俳句をうんと供へて子規忌かな  子規顕彰・台東区俳句大会,10/24,特選(渡辺繁義)

451 かがみけり狐の孫を化かすべく   谷保城山・吟行会,9/18,(石田響子・添削)

450 すぐ冷むるものよ寡夫が温め酒         中央俳壇 11/25号(市橋千翔)

449 コスモスは律儀よ妻の亡き庭に   銀座俳句『銀座百店』11月号,佳作(高橋睦郎)

448 踊の輪かつてはひょいと駐在も   雑誌[NHK俳句]10月号,佳作(三村純也)

447 秒針の影きびきびと夜半の秋       中央俳句会,7/10例会(澤島和計,他)

446 朝焼けに堪らず鳴くと聞こえける       中央俳壇 9/25号・一席(市橋千翔)

445 古稀経ても生徒会長夏帽子       読売俳壇 8/23,(正木ゆう子)

444B二弾めも人の仕打ちぞ長崎忌     現代俳句協会(47)全国大会・予選通過

444 瀬の鮎を撃たんばかりの雨脚かな    朝日俳壇 8/2,四席(金子兜太)

442 アーチ橋に夏至の水面の反射かな  俳人協会全国大会(49)予選通過・『選句集』収録

442 てれくさや荒れ庭に薔薇五六輪   一茶忌俳句大会 (84回),佳作(金子兜太)

441 田一枚寄つてたかつて植ゑにけり  谷保城山・吟行会,6/19,(石田響子)

440 跳ね合うて天馬(あめんぼ)どちは無事故らし ふらんす堂通信125[なづな集](石田郷子)

439 ハイウエーの走行音も五月かな   ふらんす堂通信125[なづな集](石田郷子)

438 横幅を競ひて青葉並木かな          中央俳壇 7/25号(市橋千翔)

437 レインボーなる橋脚に卯波かな   銀座俳句『銀座百店』7月号,佳作(高橋睦郎)

436 松蝉は空耳ならず荼毘さなか       中央俳句会,5/8例会(市橋千翔)

435 色ちがふ子猫どれにも同じ影    伊藤園お~いお茶俳句大賞・佳作特別賞/商品に掲載

434 水影はまして千々かな雪柳          中央俳壇 5/25号(市橋千翔)

433 つくしんぼ小人のマイクなんちやつて谷保城山・吟行会,3/20,(石田響子)

432 畦笑ふとでも言はんか蝶もきて   子規顕彰・台東区俳句大会,10/24,特選(星野麥丘人)

431 介護品売場も歌は雛祭          定年俳壇(朝日の折込紙)4月下旬号(小島千嘉子)

430頂きしむすびは然(しか)も菜飯かな      谷保城山・吟行会,2/20,(石田響子・添削)

429 白梅に透くる紅梅遠き恋        谷保城山・吟行会,2/20,(石田響子)

428 余寒にも着信灯る夜道かな     銀座俳句『銀座百店』5月号,佳作(高橋睦郎)

427 鳥どもにまた悶着ぞ温む池          中央俳壇 3/25号(市橋千翔)

426 自転車に立春の気を詰めにけり   NHK全国俳句大会(22年度) 入選

425 まなざしの加はる浮子(うき)や春隣     読売俳壇 3/8,四席(正木ゆう子)

424 こぼれたる灯油の臭ひ春隣     雑誌[NHK俳句]5月号,ラジオ,佳作(鈴木章和)

423 いまごろは宴たけなはか風邪の床  雑誌[NHK俳句]4月号添削欄,(西村和子)

422 都辺も雪国めける夜明けかな    三重県 [国の一句] 佳作

421 舞ふ雪や窓にもニュース画像にも  ふらんす堂通信124[なづな集](石田郷子)

420 辻よりは冬草添ひて家近し       朝日俳壇 2/15,三席(金子兜太)

419 仏壇を湯気めぐれかし七日粥    ふらんす堂通信124[なづな集](石田郷子)

418 餅花を添へて若やぐ遺影かな    中央俳句会,1/9例会(水見壽男・藤原香人)

417 初風呂や娘を経たる児のちんこ     西東三鬼賞(17)選外佳作,2月刊[作品集]に収録

416 初雀影もあらたに弾みけり          中央俳壇 2/25号(市橋千翔)

415 幽明に交はす妻との御慶かな    NHK全国俳句大会(22年度) 兼題[明]入選,

 


平成21(2009)

414 本位(ほい)ならぬ空白期間古日記    ふらんす堂通信123[なづな集](石田郷子)

413 追突の悶着よそに山眠る             現代俳句協会全国大会,予選通過

412 熊眠る上あたりかと機窓より    雑誌[NHK俳句]3月号,佳作(高野ムツオ)

411 枯れ透けて尾根すぢ低き家郷かな  ふらんす堂通信123[なづな集](石田郷子)

410 豪州のかたちの雲や布団干す      読売俳壇 1/25,二席(正木ゆう子)

409 古稀過ぎに見初めし汝(なれ)や花八手     朝日カルチャー立川選句会,入選,12/24(金子兜太)

408 茶の花やつむじ風にも五六片(ひら)       中央俳壇 1/25号(市橋千翔)

407 山之辺ノ道いにしへへ踏む落葉   中央俳句会,11/14例会(藤原香人)

406 常盤木(ときわぎ)の下にも銀杏落葉かな   ふらんす堂通信123[なづな集](石田郷子)

405 凩(こがらし)の剥奪なれや賑やかに     [俳句]2月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

404 橋なかばいよよ水澄む家郷かな        ラジオ文芸選評(特別番組)に入選・10/31放送〈鈴木章和〉

403 橋ひとつ増えし故郷や月光下         朝日カルチャー,立川,選句会 (小澤 實)

402 名月やあちら真昼と知りつつも        現代俳句協会全国大会,予選〈選者グループ〉

401 名月や宇宙船にも日本人            伊勢神宮観月会献詠,準佳作 (鷹羽守行)

400 今宵など輪唱めきぬ裏の虫      中央俳壇 11/25号(市橋千翔)

399 鶏頭や胸に自傷のをりの疵       ふらんす堂通信122[なづな集](石田郷子)

398 離陸待つ小窓に釣瓶落としかな   ふらんす堂通信122[なづな集](石田郷子)

397 ここはもう熊野なるぞと大蟷螂    ふらんす堂通信122[なづな集](石田郷子)

396 桂林にそそぐいくすぢ秋の水    雑誌[NHK俳句]11月号,佳作(片山由美子)

395 摘まれてくれしとんぼを放ちけり    読売俳壇 10/12(正木ゆう子)

394夕萩を小突いて客となりにけり      第4回・角川全国俳句大賞・予選通過

393 売れ残る鰯にスポットライトかな  中央俳句会,9/12例会(藤原香人)

392 朝顔の急(せ)いてそれほど萎えずとも  中央俳壇 9/25号(市橋千翔)

391 早立ちやすでに色さす蛍草     雑誌[NHK俳句]10月号,佳作(片山由美子)

390 ネクタイはゆるめて解かず秋の宵  [俳句]12月号[平成俳壇]佳作(行方克己)

389 空蝉(うつせみ)に透明材の両眼部        ふらんす堂通信122[なづな集](石田郷子)

388 冷酒を過ごし夢にも呷りけり    銀座俳句『銀座百店』9月号,佳作(高橋睦郎)

387 蓮堀やかの空襲の生き地獄       朝日俳壇 7/13(金子兜太)/[朝日俳壇`2010]選者“準年間十句”

386 新調の入歯ぞ先づは冷奴         定年俳壇(朝日の折込紙8/下旬号)特選(小島千嘉子)

385 木漏れ日の点いては消ゆる泉かな    読売俳壇 7/6(正木ゆう子)

384 寡夫(やもめお)の梅雨の湯豆腐ゑひもせで 銀座俳句『銀座百店』8月号,佳作(高橋睦郎)

383 水の星ゆゑの難儀か草むしり      ふらんす堂通信121[なづな集](石田郷子)

382 万緑は仰ぐべきかな観覧車       ふらんす堂通信121[なづな集](石田郷子)

381 釣らむとて腕を捲れば青時雨      ふらんす堂通信121[なづな集](石田郷子)

380 なほひらく著莪(しゃが)へ位牌を寄せにけり 中央俳壇 7/25号(市橋千翔)

379 仕掛けめく通り雨なり薪能           ふらんす堂句会5/16,俳句文学館(片山由美子)

378 浮標(ブイ)囲ひへと漕ぎ寄れば浮巣かな    雑誌[NHK俳句]8月号,佳作(西村和子)

377 獲られしと知らぬか瓶にはしやぐ蝌蚪 雑誌[NHK俳句]7月号,ラジオ,佳作(鈴木章和)

376 荒れ畑を走るは雉子(きじ))の夕餉らし  [俳句]7月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

375 花屑を派手に舞はせて霊柩車         毎日俳句大賞・予選通過

374 風船やとみに覚束なき地球        [俳句]7月号[平成俳壇]佳作(西山 睦)

373 花屑に月光われに回顧多々        中央俳句会,4/11例会(市橋千翔)

372 大桜いよいよ月を放ちけり       読売俳壇 5/11(正木ゆう子)

371 デパ地下に瀬田の砂吐く蜆かな      中央俳句会,3月例会[蜆](市橋千翔)

370 ありていの墓地の眺めよ彼岸前     ふらんす堂通信120[なづな集](石田郷子)

369 春愁を閉ざして夜行バス発車       ふらんす堂通信120[なづな集](石田郷子)

368 河口なりし巷にすする白魚(しらを)かな    雑誌[NHK俳句]5月号,佳作(長谷川櫂)

367 旋回や窓に日本の春の月        雑誌[NHK俳句]4月号,佳作(正木ゆう子)

366 梅が香にブルルと世事の受信かな    朝日俳壇 4/12(金子兜太)

365 ときをりのヘッドライトや辻の梅  雑誌[俳句]5月号[平成俳壇]秀逸(山尾玉藻)

364 春雪をむさぼりやまず荒磯(ありそ)波     中央俳壇 3/25号・一席(市橋千翔)

363 一団に嗅がるる梅の蕾かな     雑誌[俳句]5月号[平成俳壇]佳作(寺井+行方)

362 豆撒くや子の倒産を怖れつつ    [俳句]5月号[平成俳壇]佳作(笠原和男)

361 村の頃ほど仰がれず火の見塔      定年俳壇(朝日の折込紙2/下旬号)特選(小島千嘉子)

360 痛風に初夢とぎれとぎれなる      ラジオ1/2,新春おめでた文芸(富士真奈美)

359 はや晴着なり数へ日の地蔵たち     ふらんす堂通信119[なづな集](石田郷子)

358 照れあうて着膨れ脱いでいざ宴     中央俳壇 1/25号(市橋千翔)

357 狼の檻を狭しと廻りけり        雑誌[NHK俳句]2月号,佳作(長谷川櫂)

 


平成20(2008) 

356 花八手郵便バイクは素通りよ      朝日カルチャー(立川)選句会,11/29(小澤實)

355B「これなあに」を繰返す児や文化の日  現代俳句協会(45)全国大会・予選通過

355 返り花井伊大老が城なりき       雑誌[NHK俳句]1月号,佳作(正木ゆう子)

354 今朝のまま垣に暮れをり枯蟷螂     ふらんす堂通信119[なづな集](石田郷子)

353 行く秋やしきりに曲がるモノレール   中央俳句会,11/5 台場吟行,秀逸(水見壽男)

352 寝返りや位牌の妻もさぞ夜長     朝日俳壇 11/17(金子兜太)四席

351 色鳥や遥かにくすむ副都心      中央俳句会 10月例会(水見壽男)

350 露草や発掘といふ陵(りょうあば)暴き       銀座俳句『銀座百店』12月号,佳作(高橋睦郎)

349B早立ちや露草どちを覚まさせて    現代俳句協会(45)全国大会・予選通過→後日推敲

349 水底の亀に揺るるか寝待月       中央俳壇 11/25号(市橋千翔)

348 虫の闇彼方にもなほ彼方にも      雑誌[俳句]12月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

347 みづうみに富士を見つくす蜻蛉かな   雑誌[NHK俳句]10月号,佳作(宮坂静生)

346 秋扇も世辞もせはしやグループ展    ふらんす堂通信118[なづな集](石田郷子)

345 吊革に噤(つぐ)んで若し三力士      朝日俳壇 9/22(金子兜太)一席

344 荒れ庭に妻の朝顔泉下(せんか)より    雑誌[NHK俳句]10月号,佳作(正木ゆう子)

343 生御魂(いきみたま)あれよ苧殻火(おがらび)にて煙草  雑誌[俳句]11月号[平成俳壇]推薦(榎本好宏)

342 思はざり妻に盂蘭盆(うらぼん)支度とは  雑誌[NHK俳句]10月号,佳作(宮坂静生)

341 新涼や塀をしばらくぶりに猫      ふらんす堂通信118[なづな集](石田郷子)

340 夕立に日矢(ひや)のさしこむ湖畔かな    中央俳壇 9/25号(市橋千翔)

339 鮎焼けて儀式めくなり串の除去    銀座俳句『銀座百店』10月号,佳作(高橋睦郎)

338 万緑にたちまち染まる眼鏡かな    第5回 [色のある俳句](北村美都子)

337 冷蔵庫いきものめける夜更かな    銀座俳句『銀座百店』9月号,佳作(高橋睦郎)

336 西日へとせり上がるなり奈良盆地    ふらんす堂通信117[なづな集](石田郷子)

335 夕立ぞパンク自転車押す坂に       ふらんす堂通信117[なづな集](石田郷子)

334B不意打ちの雨は大粒サングラス    現代俳句協会(45)全国大会・予選通過

334 梅雨晴の児の渾身のおならかな     第三回 角川全国俳句大賞,予選通過(作品集収録)

 

333 地下道も鬼灯(ほほづき)市の往き来かな  朝日俳壇 7/28(金子兜太)四席

332 青(あを)梅雨や通過列車の窓明かく     ふらんす堂通信117[なづな集](石田郷子)

331 青(あを)梅雨の底を弔意の往き来かな    中央俳壇 7/25号(市橋千翔)

330 薔薇にこの陰影なきを仮想せよ     雑誌[NHK俳句]7月号,佳作(正木ゆう子)

329 夏めくやときをり首を反らす亀      ふらんす堂句会 5/17,俳句文学館(片山由美子)

328 今上も帽振られませ昭和の日      雑誌[俳句]8月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

327 背泳の蛙見たよと子の真顔       雑誌[俳句]7月号[平成俳壇]佳作(伊藤敬子)

326 あの下にディズニー園か春の虹      中央俳壇 5/25号(市橋千翔)

325 亡き妻のぶんも浴びたる花吹雪     NHKラジオ 4/5放送(鈴木章和)

324 山笑ふコンクリートの城載せて     朝日俳壇 4/13(金子兜太)四席

323B爺ちやんの君が代如何に卒業日    現代俳句協会(45)全国大会・予選通過→推敲

323 堀端に集団自決落椿         銀座俳句・『銀座百店』5月号,佳作(高橋睦郎)

322 春北風(きた)に怒(いか)る線香父母が墓     ふらんす堂通信116[なづな集](石田郷子)

321 鶯や都県境のいづこかに            ふらんす堂通信116[なづな集](石田郷子)

320 忍ぶ恋などは知るまじ春の猫       中央俳壇 3/25号, 一席(市橋千翔)

319 亡き妻や足もて探る春炬燵       ふらんす堂句会 3/15,俳句文学館(片山由美子)

318 生返事にて海鼠突く男かな       第三回 角川全国俳句大賞,予選通過(作品集収録)

317 風邪臥(ぶ)しやごみ収集の例の曲   兜太俳句塾・準大賞/金子兜太特選・黒田杏子推薦

316 白息を見てゐて真似る幼(をさな)かな    雑誌[NHK俳句]5月号,ラジオ,佳作(鈴木章和)

315 見るほどに定員超過宝船        雑誌[俳句]4月号[平成俳壇]佳作(鳴門奈菜)

 


平成19(2007)

314 冬蝶を囃して心まだ老(ふ)けず    朝日俳壇 1/7(金子兜太)四席

313 あづかりし犬もてあます枯野かな  第61回・芭蕉翁献詠, 入選(鍵和田秞子)

312B 遠火事に厨(くりや)を覗く寡男(やもを)かな      中央俳壇 2/25号(市橋千翔)

312 配達の声鴉めく師走かな      第44回・現代俳句全国大会, 予選通

311B 北風を歪(ゆが)めて通過列車かな     雑誌[俳句]3月号[平成俳壇]佳作(鳴門奈菜)

311 霙(みぞ)るるやたぶん遠祖は洞穴に   第44回・現代俳句全国大会, 予選通過

310B 数へ日や部位で言はるる荼毘の骨  銀座俳句・『銀座百店』2月号,佳作(高橋睦郎)

310 沢庵や婿に張合ふ咀嚼音(そしやくおん)     朝日カルチャーセンター立川・秀逸(金子兜太)

309C 鴛鴦(をしどり)のあとに生まるる光かな   三重県 [光の一句] 佳作

309B 夕時雨よりきしみ来る都電かな     ふらんす堂通信115[なづな集]特選(石田郷子)

309 甘すぎる蜜柑に怯む寡男(みもを)かな    NHK俳句12/16放送・特選(正木ゆう子)

308B がらがらのモノレールなり日向ぼこ  ふらんす堂通信115[なづな集](石田郷子)

308 風邪声の弾みてやまぬ童かな        ふらんす堂句会 11/17俳句文学館(片山由美子)

307C 凩(こがらし)やかつてやにはに成果主義        中央俳壇 1/25号(市橋千翔)

307B 夕鵙や偲ぶ会へと急ぐ古稀     ふらんす堂通信115[なづな集](石田郷子)

307 時雨忌や旅せず病まず夢も見ず   中央俳句会,11月例会(三選者共選)

306B 位牌より見ゆるか爺の冬支度    ふらんす堂通信115[なづな集](石田郷子)

306 また釣るる淵に秋思もしきりかな  中央俳壇 11/25号(市橋千翔)

305B白粉花(おしろい)に触れて磯去る童女かな  雑誌[NHK俳句]1月号,ラジオ,佳作(鈴木章和)

305 灯台のほかは芒の岬かな      雑誌[NHK俳句]12月号,佳作(正木ゆう子)

304 ゐのこづち着けて二歳となりにけり アサヒタウンズ 11/8号(小澤 實)特選

303 朝寒や「妻の荼毘」載る短歌欄     読売俳壇 11/5(成田千空)一席

302 線香を立てれば秋の声しきり    ふらんす堂通信114[なづな集,添削例](石田郷子)

301 大阪の釣瓶落としの環状線     ふらんす堂通信114[なづな集](石田郷子)

300 空港の窓にひろがる秋意かな      朝日俳壇 10/22(大串 章)

299 自転車を点せば釣瓶落としかな       ふらんす堂句会 9/24俳句文学館(片山由美子)

298 秋鯖を追ふ酒喉を急きにけり    アサヒタウンズ 9/13号(小澤 實)

297 亀の首伸びて水飲む残暑かな    第44回・現代俳句全国大会, 予選通過

296 飼亀の溺れさうなる雷雨かな    ふらんす堂通信114[なづな集](石田郷子)

295 思ひきや混血(ハーフ)の孫と昼寝とは   朝日俳壇 9/3(金子兜太)一席

294 夏萩や心せかるる忌の手筈      中央俳句会=中央大学学員会 ,7月例会(市橋千翔)

293 ご来意はやはり選挙か梅雨籠り    一茶忌俳句大会 (81回),佳作(金子兜太)

292 消ゆるべく梅雨の夕月うすれけり  中央俳壇 9/25号(市橋千翔)

291 夕端居へも饒舌のラジオかな    朝日俳壇 7/16(金子兜太)二席

290 里山へ無理やり夏至の入日かな   第44回・現代俳句全国大会, 予選通過

289 出目金の眼にわが居間は千畳か    中央俳句会,6月例会(澤島和計会長)

288 老鶯をゆるりと真似る二歳かな   朝日俳壇 6/10(金子兜太)一席

287 泉辺や塩たつぷりの握り飯     NHK俳句 5/20放送(正木ゆう子)/ゲスト好感一句

286 夕虹やまだ雨だれを聞きながら   ふらんす堂通信113[なづな集](石田郷子)

285 花栗や突如駆出す十二歳      ふらんす堂通信113[なづな集](石田郷子)

284 麦秋の中にミラノ市いざ降下    中央俳壇 7/25号,二席(市橋千翔)

283 あつらへの眼鏡むなしや目借時(めかりどき)  雑誌[NHK俳句]8月号,ラジオ,佳作(鈴木章和)

282 磯物の名と子の名呼ぶ干潟かな   俳人協会46回大会,予選通過,『選句集』に収録

281 ふらここに委ねる古稀の撓ひかな   中央俳壇 5/25号(市橋千翔)

280 母方は熊野古道よ藪椿       朝日俳壇 3/11(金子兜太)

279 春宵をとぢて長距離バス発車    第44回・現代俳句全国大会, 予選通過

278 遠桜爺に洗濯日和かな        NHK(平成19年度)全国俳句大会・入選

277 卒業の袴(はかま)の群れや交叉点        ふらんす堂句会 2/17俳句文学館,佳作(片山由美子)

276 犬ふぐり月なき夜半もその色か   雑誌[俳句朝日]6月号,読者俳句,佳作(今井千鶴子)

275 奥多摩や梅に嗅ぎ寄る一都民    雑誌[俳句朝日]4月号短期企画,佳作(伊藤敬子)

274 跨(またが)って今朝春めけるサドルかな  NHK(平成19年度)全国俳句大会・入選

273 手に馴染みきたる手帳や春隣     中央俳壇 3/25号(市橋千翔)

272 焼肉の店の気前や熾(おこ)り炭     雑誌[NHK俳句]4月号,佳作(宇多喜代子)

271 雲はみな丹色(にいろ)なりしか花歌留多    第二回 角川全国俳句大賞,予選通過(作品集収録)

270 またひとつ妙なアンテナ初景色   第44回・現代俳句全国大会, 予選通過

 


平成18(2006)

269 今上陛下(きんじやう)のご生誕日の日向かな  中央俳壇 2/25号(市橋千翔)

268 採血を重ねし腕に柚子湯かな    俳人協会45回大会,予選通過,『選句集』に収録

267 蟹鍋や無敵なりけむ大鋏      朝日俳壇 1/15(長谷川櫂)

266 寄鍋やまだ挨拶もなき若手     雑誌[俳句]3月号[平成俳壇]佳作(辻 桃子)

265 をちこちに音のうまるる夜長かな  俳人協会45回大会,入選(小原啄葉)

264 この炬燵へと戻り来よ遺影妻     中央俳壇 1/25号(市橋千翔)

263 茶の花やまだ湯気ばめる犬の糞   アサヒタウンズ 12/14号(小澤 實)

262 ま直(す)ぐなる芒(すすき)に背筋倣(なら)ひけり  中央俳壇 11/25号(市橋千翔)

261 新松子(しんちぢり)かつてはわれも律儀者   雑誌[NHK俳句]2月号,ラジオ文芸,佳作(鈴木章和)

260 給油所の不況も見ゆる苅田かな   朝日俳壇 10/23(金子兜太)

259 蚯蚓(みみず)鳴くあたかも黄泉を知るごとく中央俳句会=中央大学学員会,10月例会(市橋千翔)

258 あせらざる秋蝉あらじ夕並木    朝日俳壇 10/23(金子兜太)

257 秋風や地下鉄下車の高架駅     雑誌[NHK俳句]12月号,佳作(宇多喜代子)

256 雨粒に色得て笑ふ石榴(ざくろ)かな     中央俳句会=中央大学学員会 ,9月例会(澤島和計会長)

255 岩風呂や厄日避けても波しぶき    NHK全国俳句大会(18年度)入選,兼題「波」

254 骨壷の妻連れ帰る残暑かな     アサヒタウンズ 10/12号(小澤 實)

253 白菊へ沈みゆくなり棺の妻     雑誌[俳句]12月号[平成俳壇]佳作(池田澄子)

252 西瓜さへ禁止の妻の看取(みと)りかな     雑誌[NHK俳句]18年11月号,佳作(矢島渚男)

251 再見(ツァイチェン)と黄河に放つ草矢かな    中央俳壇 9/25号(市橋千翔)※回想詠

250 片陰の道を教はる別れかな     第一回 角川全国俳句大賞,秀逸(正木ゆう子)

249 どくだみの葉にも蝕(むしば)みありにけり   雑誌[俳句]11月号[平成俳壇]佳作(大牧広)

248 黴の世やわけても妻の脳腫瘍    アサヒタウンズ 9/14号(小澤 實)

247 棄てられし川に戸惑ふ金魚かな   雑誌[NHK俳句]10月号,佳作(宇多喜代子)

246 梅雨晴に新月探す寸暇かな     朝日俳壇7/17(金子兜太)一席/年間秀句,準十選に

245 老鶯に児のしやつくりの呼応かな  雑誌[NHK俳句]9月号,佳作(宇多喜代子)

244 薫風や痴れゆく妻のもの乾せば   アサヒタウンズ 6/8号(小澤 實)

243 釣れぬ瀬をよぎる翡翠(ひすい)の加速かな  中央俳壇 7/25号(市橋千翔)/翡翠=カワセミ

242 当地にも特許許可局来ては鳴く   ラジオ[ひるのいこい]6/15放送,添削あり

241 足得てもいまだにお玉杓子かな   雑誌[俳句]8月号[平成俳壇]佳作(辻桃子)

240 朝床に背の痒ければ蝌蚪生(あ)れむ   朝日俳壇 5/15(金子兜太)二席

239 春雷や乳首を放つ稚(やや)のくち    アサヒタウンズ 5/11号(小澤 實)

238 バブル期を知らぬ子吹くや石鹸(シャボン)玉 中央俳壇 5/25号,一席(市橋千翔)

237 をりからの御霊(みたま)を運べ花筏(はないかだ)   第一回 角川全国俳句大賞,予選通過(作品集収録)

236 列車もう道成寺かな涅槃西風(ねはんにし)  雑誌[NHK俳句]7月号,佳作(宇多喜代子)

235 囀るや類想類句を飽きもせで     BS[俳句王国]4/8 放送,特選(金子兜太)

234 大朝寝(おほあさね)山川草木(さんせんさうもく)ご随意に   第十三回「西東三鬼賞」選外佳作(委員会選)

233 針祭る日の望郷や淡島神社(あはしま)はん  中央俳壇 3/25号(市橋千翔)

232 節分や孫のメールに「ママが鬼」  NHK全国俳句大会(18年度) 入選,

231 混血の孫たち殊に雑煮好き      雑誌[NHK俳句]4月号,佳作(宇多喜代子)

 


平成17(2005)

230 秀才の通夜へわれらの息白し    朝日俳壇 18年1/15(金子兜太)二席

229 冬めくや大河ドラマは端折(はしよ)り気味 中央俳壇 18年1/25号(市橋千翔)

228 半世紀会はぬ少女や冬紅葉      雑誌[俳句朝日]18年4月号,佳作(倉田紘文)

227 大綿やヘッドライトにひとしきり  朝日俳壇 12/5(川崎展宏)

226 伐られたる大樹の空や小鳥くる   中央俳壇 11/25号(市橋千翔/添削)

225 夕霧や豪放磊落(らいらく)なりし骨      朝日俳壇 11/28(金子兜太)

224 秋澄むやいよいよにほふ児のうんち   雑誌[NHK俳句]18年2月号,佳作(矢島渚男)

223 飼はれても猪なれや佇まず     BSスペシャル 10/23,注目句(壇ふみ)

222 調子など合はす気(け)もなし鉦叩(かねたたき)  雑誌[俳句]12月号[平成俳壇]佳作(小笠原和男)

221 満月を入れて更けゆく大樹かな    三重県 [木の一句] 佳作

220 耳の奥まで草むらか虫の午後    雑誌[NHK俳句]18年1月号,佳作(宇多喜代子)

219 競技ごと雲のせはしき運動会    NHKラジオ 10/1放送(鈴木章和)

218 浦風に色さす秋の夕べかな     中央俳壇 9/25号(市橋千翔)

217 枝豆の湯気に始まる今宵かな    雑誌[NHK俳句]11月号,佳作(宇多喜代子)

216 新涼やけだし毛細血管にも     アサヒタウンズ 10/13号(小澤 實)

215 高速道を出づるカーブや晩夏光   雑誌[NHK俳句]12月号,佳作(矢島渚男)

214 サルビアに声あらばさぞ煩さけれ  アサヒタウンズ 9/8号(小澤 實)

213 自転車の背まで迫れる白雨かな   雑誌[俳句]11月号[平成俳壇]佳作(手塚美佐)

212 ひとところ揉めつつ夜店仕度かな  雑誌[俳句]11月号[平成俳壇]推薦一席(辻 桃子)

211 脈絡もあらぬ多恨や草むしり    朝日俳壇 8/22,一席/年間十選にも(金子兜太)

207は朝日俳壇の年間秀句に(金子10選)/[朝日俳壇2006](朝日ソノラマ刊))収録

210 腹白きもの躍りくる夜釣かな    アサヒタウンズ 8/18号(小澤 實)

209 竹落葉わらべはものを思ひ初(そ)め   BS[俳句王国]7/30放送(黒田杏子)

208 花茣蓙(はなござ)や絵柄図柄の踏み心地   中央俳句会=中央大学学員会,5月例会(水見壽男)

207 谷風のままなる藤の盛りかな    中央俳壇 5/25号,二席(市橋千翔)

206 手入れせぬこの盆栽に穀雨とは   朝日俳壇 5/23(金子兜太)※朝日俳壇に50句め

205 艶めきし衣(きぬ)の飛びくる春二番   雑誌[NHK俳句]6月号ラジオ欄,佳作(鈴木章和/添削)

204 淡雪の着地まぎはの光かな     NHK全国俳句大会(17年度) 入選,兼題「光」

203 暗渠道なれども水の音は春     雑誌[NHK俳句]6月号,佳作(山田弘子)

202 飛ぶ影を屋根から屋根へ冬鴉    中央俳壇3/25号(市橋千翔)

201 二日はや小石を払ふ竹箒      雑誌[俳句]16年12月号[埋字](山下一海)

200 つきなみを嗤ふ拙者も御慶(ぎよけい)かな    朝日俳壇 1/30(稲畑汀子1席/金子兜太2席)共選

 


平成16(2004)年

199 美少女をしかめさせては焚火爆ず  雑誌[NHK俳壇]17年3月号,佳作(坊城俊樹)

198 潜むものから煮らるるぞおでん種  NHKラジオ 12/4放送(鈴木章和)

197 子ら去りてもう弾まざり竜の玉   中央俳壇17年1/25号(市橋千翔/添削)

196 裏山やわが隠居家は霧の底     雑誌[NHK俳壇]17年2月号,佳作(坊城俊樹)

195 プラネタリウム出でし真昼の秋思かな 雑誌[NHK俳壇]17年1月号,佳作(坊城俊樹)

194 連峰や甲から信へ天の川      中央俳壇11/25号(市橋千翔)

193 雨垂れも大粒小粒葡萄園      NHK俳壇 9/3放送,特選(今瀬剛一)

192 赤とんぼ全身赤と思ひしに     ラジオ[昼の憩]9/18放送/10月号,佳作(鈴木章和)

191 とんぼ憩へ少年飛行兵慰霊塔    雑誌[NHK俳壇]12月号,佳作(寺井谷子)

190 戯れに谷を流れて晩夏の子     朝日俳壇 8/30(金子兜太)一席

186は朝日俳壇の年間秀句に(金子10選)/[朝日俳壇2005](朝日ソノラマ刊))収録

189 空蝉や汝を出しものはまだ鳴くか  アサヒタウンズ 9/9号(小澤 實)

188 夕顔や掴んで出づるわが虎徹      雑誌[俳句]9月号[埋字=わが虎徹](山下一海)

187 特急を一本通す青嶺(あをね)かな      雑誌[NHK俳壇]11月号,佳作(坊城俊樹)

186 寝なほすや窓に朝焼ちよつと見て  雑誌[俳句朝日]10月号,佳作(有馬朗人)

185 飛魚の刺身や羽根に酒場の灯    雑誌[俳句]10月号[平成俳壇]秀逸(大串 章)

184 夕凪や瀬戸の海にも県境      雑誌[NHK俳壇]10月号,佳作(坊城俊樹)

183 香水の名残りが話題観覧車     NHKラジオ 7/3放送(鈴木章和)

182 梅雨晴に亀を洗ふや仰向けて    アサヒタウンズ 8/19号(小澤 實)

181 曇天に黄を強めてや未央(びやう)柳    中央俳壇7/25号(市橋千翔)

180 糸とんぼ身は一式を備へけり    BS[俳句王国]6/12放送,特選(川崎展宏)

179 蝌蚪(くわと)群るる中から長距離タイプかな BS[俳句王国]5/22放送(中原道夫)

178 せはしなや夜明前から大穀雨    朝日俳壇 5/10(金子兜太)一席

177 残花にも太閤のあの機嫌かな    BS俳句秋春季スペシャル 4/18実況(金子兜太)

176 道なりのカーブで来たる燕かな   BS俳句秋春季スペシャル 4/18実況(ゲスト増田明美)

175 囀の中のひとつは説くごとく    ラジオ[昼の憩]5/10放送/7月号[ラ]佳作(鈴木章和)

174 春風やここに俳句の素浪人     雑誌[NHK俳壇]7月号,佳作(坊城俊樹)

173 さより鮨かがやく今宵金曜日    雑誌[NHK俳壇]6月号,佳作(寺井谷子)

172 芽柳の昼の上弦透けにけり     中央俳壇3/25号(市橋千翔/添削)

171 来年もここに出るぜと達磨市    雑誌[俳句]4月号[平成俳壇]佳作(辻 桃子)

170 岬越えつつ初富士へ初富士へ    雑誌[NHK俳壇]5月号,佳作(寺井谷子)

169 よく笑ふ娘夫婦や花歌留多     雑誌[NHK俳壇]5月号,佳作(山田弘子)

 


平成15(2003)年

168 この通夜にそぐはぬ甘き蜜柑かな  雑誌[俳句]16年3月号[平成俳壇]佳作(寺井谷子)

167 たけなはの鍋に白菜迎へけり    朝日俳壇 12/22(金子兜太)

166 鰭(ひれ)酒に切替へし後の余談かな    中央俳壇16年1/25号(市橋千翔)

165 凩(こがらし)の曾孫(ひまご)なるべしつむじ風    三重県の企画/角川書店刊行[風の一句]に収録

164 咳地獄なれども止(や)めぬ持論かな    BS俳句ペシャル 11/30実況で注目作に(金子兜太)

163 仰向けに空を刈りけり枯蟷螂    雑誌[NHK俳壇]16年3月号,佳作(寺井谷子)

162 蔦紅葉この石塀も担保にて     雑誌[俳句]16年2月号[平成俳壇]佳作(大牧 広)

161 夕寒や今朝失せし亀戻りゐて    アサヒタウンズ 12/13号(小澤 實)

160 燈火親し生まれかはらば語部に   [元気なうちの辞世の句]中経出版に収録(坪内稔典)

159 秋天や遠き号砲また歓声      雑誌[NHK俳壇]16年2月号,佳作(坊城俊樹)

158 水底(みなそこ)の砂の模様や鱗雲       アサヒタウンズ 11/8号(小澤 實)

157 回想にこの景色なし泡立草     芭蕉祭(57回)献詠(宇多喜代子)

156 流星や恩師先輩また若手      朝日俳壇 9/22(川崎展宏)

155 この湾に伊豆の秋蝉挙(こぞ)りしか    朝日俳壇 9/22(金子兜太)

154 町の子の守るバケツ田稲の花    雑誌[NHK俳壇]11月号,佳作(寺井谷子)

153 蝉しぐれこの木爛漫たりしかな   中央俳壇 9/25号(市橋千翔)

152 なほ鳴きてかつ泳ぐもの田水沸く  雑誌[NHK俳壇]10月号,佳作(坊城俊樹)

151 梅雨さなかにも壊さるる林かな   朝日俳壇 7/28(金子兜太)一席

150 卯の花や亀はゆるりとまばたきて  アサヒタウンズ 7/12号(小澤 實)

149 轢かれゐし蝦蟇(がま)を囲みて子ら無言  NHK俳壇 6/21放送(坊城俊樹)

148 下校児の草笛過ぐる寓居かな    雑誌[NHK俳壇]9月号,佳作(山田弘子)

147 祭神の雄叫びめくや楠若葉     中央俳壇 7/25号(市橋千翔)

146 瓦葺きつつ老鶯を誉めにけり    朝日俳壇 6/2(金子兜太)二席

145 大利根の北も南も植田かな     アサヒタウンズ 6/14号(小澤 實)

144 どよめきは神田祭ぞ高架駅     朝日俳壇 5/26(川崎展宏)

143 蟻出るやここに中卒五十年     アサヒタウンズ 5/10号,特選(小澤 實)

142 見下ろせば並木奇態に枯れにけり  雑誌[俳句]5月号[平成俳壇]佳作(中村和弘)

141 撫でながら連帰りたり福達磨    NHKラジオ新春句会1/4放送(平井照敏+富士真奈美)

140 くろぐろと鋤かれし畑や初雀    中央俳壇 3/25号(市橋千翔)

139 初風呂や傷病手当受給の身     アサヒタウンズ 5/10号(小澤實)/北冥社[歳時記]収録

138 初空やすでに飛ぶもの揚がるもの  [NHK俳壇]4月号[ラジオ]佳作(平井照敏)/北冥[歳時記]収録

 


平成14(2002)年

137 小雪(せうせつ)の雲低きかな急薨去      中央俳壇 15年1/25号(市橋千翔)

136 冬草に慈悲か難儀か雨しきり    朝日俳壇 12/23(金子兜太)一席

135 彼方には都市あるはずの枯野かな  朝日俳壇 12/2(金子兜太)一席

134 しぐれ忌や何か這込む石の下    中央俳壇 12/25号(市橋千翔)

133 草の穂へ子らのきらめく尿(ゆばり)かな   中央俳壇 11/25号(市橋千翔)

132 生涯に一度の音か木の実落つ    BS[俳句王国]11/23放送,特選(中原道夫)

131 松手入れすみたるあとを柩かな   雑誌[NHK俳壇]15年1月号[ラジオ]佳作(平井照敏/添削)

130 秋天や小家の丘にわが小家     朝日俳壇 10/21(川崎展宏)三席

129 ハドソンの水面の秋を偲びけり   三重県の企画/角川書店刊行[水の一句]に収録

128 自転車に生(あ)るる微風や厄日なる   朝日俳壇 9/16(川崎展宏)

127 厄日けさ事なくすする茶粥かな   中央俳壇 10/25号(市橋千翔)

126 万葉の歌碑より秋へ峠路へ     大分県山国町[万葉短文]優秀賞

125 かうもりや英霊噤(つぐ)む里社      中央俳壇 9/25号,二席(市橋千翔)

124 一箱の新馬鈴薯(しんじやがいも)や少年兵   朝日俳壇 8/5(川崎展宏)一席

123 青田から今に離陸かわが特急    雑誌[NHK俳壇]10月号,佳作(寺井谷子)

122 人に木に影ありにけり梅雨晴間   雑誌[俳句]7月号[平成俳壇]佳作(今瀬剛一)

121 北多摩の湖(うみ)にとどきし南風(みなみ)かな 中央俳壇 7/25号(市橋千翔)

120 倒影の青葉も由々し崇神陵     朝日俳壇 7/8(川崎展宏)

119 葉柳や華南へ去(い)にし張(ちやん)青年   アサヒタウンズ 7/13号(小澤 實)

118 虚子虚子とまたうるさしや群るる蝿 雑誌[俳句]9月号[平成俳壇]推薦(矢島渚男)

117 どよめけば姿を戻す御輿かな    中央俳壇 6/25号(市橋千翔)

116 山ぎはの踏切を急く御輿かな    アサヒタウンズ 6/8号(小澤 實)

115 釣られたるざりがにに世の辛(つら)さかな 朝日俳壇 4/22(川崎展宏)二席

114 永き日の葬儀のいとこはとこかな  アサヒタウンズ 5/11号(小澤 實)

113 鞦韆(しうせん)やこのごろ急かぬ夕鴉    中央俳壇 4/25号,二席(市橋千翔)

112 ひとりずつ戻る家族や桜冷      雑誌[NHK俳壇]8月号,佳作(斉藤夏風)

111 花筏分けて無粋や舟遊び      三重県の企画/角川書店刊行[遊の一句]に収録

110 この郷の溝てふ溝や春の水     雑誌[NHK俳壇]7月号,佳作(斉藤夏風)

109 孕(はら)み猫行くやあたりを払ひつつ   雑誌[俳句]6月号[平成俳壇]佳作(山田弘子)

108 個性とはそもそも何か目刺焼く   アサヒタウンズ 4/13号(小澤 實)

107 箸先にはづみありけり蜆汁     雑誌[NHK俳壇]6月号,佳作(斉藤夏風/添削)

106 寒月や既になまめく猫の声     アサヒタウンズ 3/9号,特選(小澤 實)

105 寒月夜やはり我らは宇宙人     中央俳壇 2/25号(市橋千翔)

104 観覧車から大寒のこの世かな    俳人協会41回全国大会(渡辺恭子)

103 雲ひくき今朝や水鳥よよそし    雑誌[NHK俳壇]4月号,佳作(鍵和田?子)

102 湯豆腐や何を隠さう国粋派     雑誌[俳句]4月号[平成俳壇]佳作(伊藤道明)

 


平成13(2001)年

101 年行くや何か流行りてゐたれども  BS[俳句王国]14年1/26放送(中原道夫)

100 短日やロシヤは島を占めしまま   中央俳壇 14年3/25号(市橋千翔)

99 夕月へ色のぼりゆく焚火かな    雑誌[NHK俳壇]14年3月号,佳作(鍵和田?子)

98 地下街に落葉すなはち出入口    BS[俳句王国]14年1/12放送(伊丹三樹彦)

97 多摩川を凩(こがらし)かつて新田勢      アサヒタウンズ 14年1/12号,特選(小澤 實)

96 マンホールのふた鈍く照り今朝の冬 BS[俳句王国]12月,佳作,雑誌掲載(宇多喜代子)

95 汝が顔を撫でたきほどの濃霧かな  朝日俳壇 11/11(金子兜太)

94 容赦なく子にむかるるや青蜜柑   朝日俳壇 11/5(川崎展宏)二席

93 ボクサーの笑み思はする石榴かな  NHK俳壇 11/11放送(大串 章)

92 椎茸に箸の迷はぬ患者かな     中央俳壇 11/25号,佳作(市橋千翔)

91 病床にコップの水も澄みにけり   アサヒタウンズ 11/10号(小澤 實)

90 曼珠沙華百万本に瀬音かな     アサヒタウンズ 9/18号(小澤 實)

89 鶏頭の紅けむる雨勢かな      BS[俳句王国]10月,佳作,雑誌掲載(倉田紘文)

88 決勝やをりしも母校台風下     [俳句甲子園③](NTT出版刊)に収録

87 枝豆の氏素性聞く酒場かな     アサヒタウンズ 9/18号(小澤 實)

86 西安の西日に染まる旅愁かな    横光利一俳句大会③ 秀作(倉田紘文)

85 所沢駅を消しゆく白雨かな     アサヒタウンズ 8/18号,特選(小澤 實)

84 入道雲かつての童ここに倦(う)む    雑誌[NHK俳壇]11月号,佳作(鍵和田?子)

83 ご苦労や土手のどくだみ刈るにほひ 朝日俳壇 7/16(金子兜太)

82 ふる里にふと似し車窓梅雨さなか  雑誌[NHK俳壇]9月号,佳作(斉藤夏風)

81 再会やをりしも菖蒲まつりとか   BS[俳句王国]7月,佳作,雑誌掲載(藤田湘子)

80 物置を出でて回るや扇風機     朝日俳壇 7/2(金子兜太)

79 忘れ物へ戻るわが町すでに夏    アサヒタウンズ 7/14号,特選(小澤 實)

78 よきことをのみ思ふべし若葉道   アサヒタウンズ 6/9号(小澤 實)

77 山ひとつ青葉若葉のてんこ盛り   BS[俳句王国]6月,佳作,雑誌掲載(金子兜太)

76 丘なれや多摩も武蔵も大霞     朝日俳壇 5/14(金子兜太)

75 春潮やこをろこをろと生(あ)るる島   雑誌[俳句]8月号[オノマトペ句]一席(櫂未知子)

74 雨を経て囀りなほす大樹かな    雑誌[NHK俳壇]8月号,佳作(鍵和田?子)

73 葱の花汝(な)をたたへたる句を知らず  雑誌[NHK俳壇]7月号,佳作(大串 章)

72 あの下に宴はいくつ遠桜      第1回[酒句]優秀賞(青森県・酒句募集)

71 車窓はや花をくぐりて本線へ    アサヒタウンズ 5/12号(小澤 實)

70 鶯や多摩人として二十年      雑誌[NHK俳壇]6月号,佳作(大串 章)

69 女囚めく椿群るるや植物園     雑誌[俳句]7月号[平成俳壇]佳作(矢島渚男)

68 春なれや新歯磨はハーブ味     雑誌[NHK俳壇]年6月号,佳作(鍵和田?子)

67 しらうをがほら手を吸ふよてふ女将(おかみ)   朝日俳壇 3/4(長谷川櫂)一席

66 冴返る通夜なり飲みて語られよ   俳壇 2/4放送,特選(大串 章)

65 紅梅や駆け寄りざまの深呼吸    朝日俳壇 2/25(金子兜太)一席

64 寒月を右に移して家間近      雑誌[俳句]2月号[平成俳壇]佳作(矢島渚男)

63 初空や高天ノ原を現(うつ)し世に     三重県の企画/角川書店刊行[空の一句]に収録

 


平成12(2000)年

 62 酒抜きの湯豆腐いかに病める友   雑誌[NHK俳壇]13年3月号,佳作(大串 章)

61 柚子風呂や肌に来る実と逃ぐる実と アサヒタウンズ 13年2/10号(小澤 實)

60 枯山に松なつかしく透けにけり   雑誌[俳句]13年4月号[平成俳壇](矢島渚男)

59 冬空に捨猫めくや雲二匹      雑誌[NHK俳壇]13年4月号,佳作(鍵和田?子)

58 この駅やまづは朽葉のにほひから  雑誌[NHK俳壇]13年3月号,佳作(鍵和田?子)

57 頂戴の鰤(ぶり)それ刺身やれ澄まし   雑誌[俳句]13年2月号[平成俳壇]秀逸(矢島渚男)

56 模型めく高層街や明治節      BS[俳句王国]11月,佳作,雑誌掲載(鍵和田?子)

55 をみなへし豆腐買ふまに暮れにけり アサヒタウンズ 11/11号(小澤 實)

54 虫しぐれ鉄路の砂利は聴くばかり  雑誌[NHK俳壇]13年2月号,佳作(鍵和田?子)

53 茶家主はみまかりけるぞ渡り鳥   BS俳句秋季スペシャル 10/29実況(森まゆみ)

52 燈火親し寝間にも日本浪曼派    朝日俳壇 10/22(金子兜太)

51 秋声や法事に行くか行かざるか   BS[俳句王国]5月,佳作,雑誌掲載(藤田湘子)

50 西安やさらに西より秋の風     雑誌[俳句]1月号[平成俳壇]秀逸(鍵和田?子)他

49 朝顔を見にきて犬のことばかり   俳壇 8/20放送(鍵和田?子)

48 五六店なれど七夕飾りたる     アサヒタウンズ 8/19号(小澤 實)

47 ゆく夏の雨を頭皮におぼえけり   アサヒタウンズ 9/9号(小澤 實)

46 那覇中京夏を行かせぬ延長戦    [甲子園②](NTT出版刊)に収録

45 朝涼や六十歳の膝小僧       雑誌[NHK俳壇]12月号,佳作(大串 章)

44 聞くのみのラジオ体操夏の朝    雑誌[NHK俳壇]10月号,佳作(宇多喜代子)

43 汗の坂きて一瞬の抜歯かな     朝日俳壇 7/23(金子兜太)

42 梅雨の蚊の羽もしめるか枕元    朝日俳壇 7/2(川崎展行)

41 五月闇なほ暗きもの迫りゐて    朝日俳壇 6/25(川崎展行)

40 散髪や鏡のけやきもう青葉     朝日俳壇 6/25(金子兜太)

39 散り薔薇や薔薇垣よりも日に映えて アサヒタウンズ 7/8号(小澤 實)

38 日傘さしノートパソコン小脇なる  雑誌[NHK俳壇]9月号,佳作(深見けん二/添削)

37 水溜り点々すでに雷遠し      アサヒタウンズ6/10号(小澤 實)

36 噴水の無味無臭なるしぶきかな   NHK俳壇 6/4放送(宇多喜代子)

35 童らを散らせて沼に白雨かな    朝日俳壇 6/4(川崎展行)

34 目(ま)のあたり婿は岩魚を挙げにけり  朝 日俳壇 5/21(川崎展行)

33 叫べ孫われら若葉の谷にあり    BS[俳句王国] 5月,佳作,雑誌掲載(金子兜太)

32 早世の汝(な)が墓つねに日永なれ    NHK俳壇 4/23放送(鍵和田?子)

31 春泥や子の足形の青き空      雑誌[NHK俳壇]7月号,佳作(宇多喜代子)

30 早送りビデオのやうに黄の蝶々   NHK俳壇 3/5放送,特選(宇多喜代子)

29 どこからか縄跳歌ぞ迷ひ道     朝日俳壇 2/6(金子兜太)

28 若菜粥かの巻頭歌はるかにて    大分県山国町[万葉短文]俳句最優秀賞/句碑建立

27 初景色なれや裏山暮るるまで    朝日俳壇 1/23(金子兜太)

 


平成11(1999)年

 26 裸木になりゆく今朝の銀杏かな   NHK俳壇 1/7放送 (宇多喜代子/添削コーナー)

25 ぴいなつや師は黄山(くゎうざん)の土産談  朝日俳壇 11/14(金子兜太)

24 秋更くるいま語らはむ憲法を     BS俳句ペシャル 11/07実況で注目作に(金子兜太)

23 迎火や第四試合を気にしつつ    [甲子園①](朝日新聞刊)に収録

22 裏山の夜目にも笑ふ家路かな    朝日俳壇 5/2(金子兜太)

21 夜半の闇にも律儀かな木の芽雨   朝日俳壇 4/4(金子兜太)

20 電話聞く耳あたりより湯ざめかな  三重県の企画/PHP刊行[道の一句]に収録

 


平成10(1998)年

 19 秋灯や二十二時以後無人駅     BS俳句秋季スペシャル 11/07実況(金子兜太)10選

18 仏壇にかまきりもゐて賑はしや   朝日俳壇 10/11(川崎展行)

17 物凄き世となりぬべし虫時雨    朝日俳壇 9/14 (金子兜太)

16 やんま捕るこのわざ見よや孫(まご)子ども  朝日俳壇 9/7 (川崎展行)

15 送火や心ととのへきれぬまま    俳人協会37回全国大会,予選通過/大会句集に収録

14 朝曇り西にはすでに強き青     朝日俳壇 8/24(金子兜太)

13 新宿もいま青(あを)梅雨といふべしや   朝日俳壇 7/12 (川崎展行)

12 ざりがには構へ童はまたたかず   朝日俳壇 6/8 (川崎展行)

11 ぢぢばばも初夏の童ぞ沼遊び    朝日俳壇 6/8 (金子兜太)

10 この南風(まぜ)をまでと呼ぶ郷はるかなり 朝日俳壇 5/25(金子兜太)

9 侠気尽くし職去る人や竹の秋    朝日俳壇 4/12(金子兜太)

8 六十路はや肩寒くして気短き    朝日俳壇 2/9 (金子兜太)

7 懐かしやこの家のこの隙間風    雑誌[NHK俳壇]3月号,添削教室(斉藤夏風)添削不要句

 


平成9(1997)年

  6 裏山のまるごと枯れてゆきにけり  朝日俳壇 12/22(飴山 實/翌年逝去)

5 猿山や今日はおほむね日向ぼこ   朝日俳壇 11/24(飴山 實)

※5は [’97年度・朝日俳壇賞] =年間最優秀作(飴山 實)

4 金繰りもいささか混じる秋思かな  朝日俳壇 10/12(金子兜太)

3 離郷のみ企む夜学生なりき     朝日俳壇 9/15 (金子兜太)

2 常夏のレイテから来し嫁も汗    朝日俳壇 9/8 (川崎展行)

1 早世の墓なぐさめよ雨蛙      三重県の企画/学研刊行[花の一句]に収録

         ↑<平成9年(59歳)初夏より作句に注力>

0 名月や飛行機一匹SATANかな     昭和30年(17歳)頃の学習雑誌に掲載。
※入選した短編小説に挿入した俳句第一作。 作句上の陳腐やタブーとされてゐた「名月や」 「や+かな」「不適切な数詞」 「ローマ字表記」 などをわざと使用して、あがいた形跡。

 


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(C) Toshikazu Itasaka